法令としてはこのような仕組みが作られていますが、内容を知っている人は半数に満たないというデータがあります。当事者である労働者の認識を深めることを目的としたHPの運用、インターネット広告などの作成のための費用が計上されています。概算要求額 29百万円(前年度32百万円)です。
※ 令和6年度予算概算要求の主要事項(厚生労働省)(p79)
現在の無期転換ルールのポータルサイト。
制度や予算など政策はつくって終わりではありません。
よいルールをつくっても、それが知られていなければ守られないので、社会は変わらず人の生活も向上していきません。
つくった政策が国民に届いて初めて意味があるのです。
昔から、大手メディアや専門メディア、業界団体や労働組合などの中間組織を通じた周知、自治体や労働局・ハローワーク・労基署などの住民に近い第一線の行政機関を通じた周知には取り組んでいますが、生活や価値観の多様化もあり、既存の広報ルートだけでは、政策の対象者に情報が届きにくくなっています。
「政策が国民に届かない問題」というのは、霞が関共通の大きな課題ですが、労働政策は特に対象者が広い分野です。人を雇う企業すべて、雇用されて働く人すべてがお客さんになります。したがって、厚労省も広報室に民間の広報のプロの方を雇ったり、広報に力を入れています。
ただ、厚労省も広報を専門にやっている機関ではありませんので、やはり民間の力を借りる必要があるのです。これが、広報予算が増えている背景です。
それでは、厚労省がどのように広報に力を入れていこうとしているのか、さらに具体的に見ていきましょう。
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編集部より:この記事は元厚生労働省、千正康裕氏(株式会社千正組代表取締役)のnote 2023年9月26日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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