グエン・コン・フオン 写真:Getty Images

 J1リーグ横浜FCに所属するベトナム代表FWグエン・コン・フオン(28歳)が、日本に帰化して家族とともに日本に永住する可能性があると、ベトナムの複数メディアが伝えている。『Dan Viet』や『Giao Thong』など一部メディアは既にコン・フオンが日本国籍を取得済みとも報じているが、帰化には5年以上日本に居住することなどの厳しい条件があるため、現時点では条件を満たしておらず、不可能なことだ。

 噂が流れた背景には、MFグエン・クアン・ハイ(元フランス2部ポーFC)やFWグエン・バン・トアン(元韓国2部ソウルイーランド)らベトナムの海外組が次々とVリーグ復帰を決める中、関心を示していたクラブが複数あったにもかかわらず、コン・フオンだけが日本に留まることを決めたこと、そして、家族が日本に住み続けることを強く希望していることなどがある。

 またコン・フオン自身、かつて所属していた水戸ホーリーホックにあやかって息子に「ミト」と名付けるほどの日本びいき。帰化云々の真偽はともかく、本人は現役引退後日本でビジネス展開することも視野に入れており、今のうちに日本との強いパイプを作っておきたいと考えているのは事実だろう。

 コン・フオンは今季、ベトナム1部ホアン・アイン・ザライ(HAGL)から横浜FCに3年契約の完全移籍で加入。2016年にはJ2水戸ホーリーホックに期限付き移籍しており自身2度目のJリーグ挑戦となったが、ここまでリーグ戦の出場はなく、YBCルヴァンカップのグループステージ第3節名古屋戦で試合終了間際に途中出場(出場時間2分)したのみ。殆どの試合でベンチ外となっており、所属クラブで完全に構想外となっている。

 なお、コン・フオンは今月行われたパレスチナ代表との親善試合に途中出場し、約2年ぶりとなる国際Aマッチゴールを決めてベトナム代表の勝利に貢献した。出場機会に恵まれない鬱憤を晴らすかのような活躍を見せたコン・フオンに対し、ベトナム代表フィリップ・トルシエ監督は試合後の記者会見で「所属クラブで出場していない選手は代表チームに相応しいとは言えない」と釘を刺した。