石井正忠 写真:Getty Images

 かつて鹿島アントラーズや大宮アルディージャを率いていた石井正忠氏は、タイ1部ブリーラム・ユナイテッドの監督を解任されたほか、タイ代表のテクニカルディレクター(TD)も退任したとみられている。その石井氏に、引き続きタイ国内で監督業を続ける可能性が浮上している。

 同氏は2021年12月からブリーラムを指揮。監督就任1年目の2021/22シーズンにいきなりタイ国内3冠を達成すると、2022/23シーズンもリーグ戦で23勝5分2敗。元横浜F・マリノス所属選手のDFティーラトン・ブンマタンらを擁する中、タイ国内で圧倒的な強さを誇り、2季連続となるタイ国内3冠を果たしていた。

 2023/24シーズンもブリーラムで指揮を執るとみられていた石井氏だが、先月24日に突如タイ代表のTDに就任。タイサッカー協会(FAT)の一部幹部がアレシャンドレ・ペルキング監督解任にむけて布石を打ったという見方が広まっていた。

 その中、BGパトゥム・ユナイテッド所属MFチャナティップ・ソングラシンをはじめタイ代表選手の間ではペルキング監督続投を望む声が。代表チームが今月の国際親善試合で結果を残すと、FAT幹部は「このような短期間での献身的な取り組みに感謝したい。石井氏の今後の幸運を祈る」と、石井TD退任を明言している。

 またタイ国内の複数メディアは「ブリーラムが石井氏と契約解除」とリポート。現在は元鹿児島ユナイテッドFC監督であるアーサー・パパス氏がチームを指揮しており、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)グループステージ初戦では浙江職業足球倶楽部(中国1部)を3-1で下している。

 そんな中、タイメディア『ボールタイ』は石井氏がタイ1部ムアントン・ユナイテッドの監督に就任する可能性を報道。「ブリーラムを2シーズン連続で3冠に導いた。これまで誰も成し遂げていない偉業であり、歴史的な監督だ」と同氏の実績を称えた一方、交渉の有無には触れていないほか、過去にムアントンで成功を収めた外国人監督が少ないことを不安材料に挙げている。

 チャナティップの古巣であるムアントンは、タイ1部リーグを4度制した強豪。2021年9月に浦和レッズとパートナーシップに関する覚書を締結したほか、今年夏にはタイ代表MFエカニット・パンヤをレンタル移籍により浦和へ放出している。