ブラジル代表FWネイマールをはじめ大物選手が相次いでサウジアラビア国内クラブへ移籍している現状が、Jリーグの移籍市場に影響を与えるかもしれない。日本代表OBの城彰二氏は、元ヴィッセル神戸所属選手であるMFアンドレス・イニエスタのようなビッグネームが獲得できなくなる可能性を指摘したほか、外国人選手獲得によるJリーグのレベルアップという観点から秋春制移行を求めている。
1990年代の創設期にドゥンガやゲーリー・リネカーなど、大物選手の参戦が相次いだJリーグ。直近数年間では、神戸がFWルーカス・ポドルスキやイニエスタ、ダビド・ビジャなど欧州で実績を積んだスターを獲得したほか、フェルナンド・トーレスのサガン鳥栖移籍も話題を呼んでいた。
城氏は今月27日にYouTubeチャンネルを更新。資金力を武器としたサウジアラビア勢の大型補強に話題が及ぶと、「サウジは本当に脅威。日本にとっても大きい。(Jリーグもイニエスタらの神戸移籍で)レベルアップしたと言うけど、これだけ投入されたらきつい。(大物選手獲得は)今の日本の財力では難しい。お金を持っているところが勝つ」と、Jリーグの移籍市場に与える影響を危惧。
Jリーグがレベルアップするための手段として大物選手の獲得があるという認識に対して、以下のように私見を述べている。
「日本(Jリーグクラブ)が海外から良い選手を呼ぶならば、もうトップスターは無理だと思う。だけど中間とかもうちょっと若手で育成段階の選手はいっぱいいる」
「(Jリーグに)興味がある選手もいっぱいいる。だからこそ、俺は世界時計(秋春制)に合わせれば、(選手の)流通が回るから海外から安い金額で獲得できると思う。それでも十分レベルアップすると思うし、日本はこうやっていくしかない。何百億出してとかできないから」
秋春制移行の議論では、主に「雪国対策」と「酷暑下での試合開催」の2点に焦点が当てられている。そのうち「雪国対策」では、積雪量の多い地域とそうでない地域のハンデ解消を求める声が沸き起こっている。
一方で「酷暑下での試合開催」では、日本代表DF吉田麻也がDAZN制作番組『フットボールタイム』に出演した際、「この暑さで試合をするのは、もはや生命の危機を感じる。無理。サッカー面で言うと、パフォーマンスがとか強度がとか言うけど、シンプルに危ない。これは雪とか以前の問題」と、猛暑での公式戦開催に反対している。