経済合理性が欠如

去られた側の札幌ドームがイベント誘致の施策として実施したのが「新モード」設置だ。札幌ドームは当サイトの取材に対し、その費用について次のように説明する。

「新モードにかかった費用につきましては、札幌市さまの工事となっており、約10億円(大黒幕約4億円、トラス約4億円、電気設備や消防設備改良約1億2千万円)と聞いております」

その新モードだが、利用は低迷している。現時点の使用・予約状況はどうなっているのか。

「使用数:1件(9/10開催ラグビーワールドカップパブリックビューイング)
予約数:1件(11/19開催予定「全開エール」)
未発表のイベントの予約件数に関しましては回答を控えさせていただきます」(札幌ドーム)

地元メディア関係者はいう。

「ラグビーWのパブリックビューイングは、市が新モード利用の実績をつくるために、地元の北海道ラグビーフットボール協会にお願いして実施したもので、費用は札幌ドームの持ち出し。10億円もの税金を使って新モードをつくった挙句、そこで行うイベントの使用コストまで事実上、税金での負担となり、地元からは『何をやっているんだ』という声もあがっている」

このパブリックビューイングの開催費用について札幌ドームはいう。

「今回のパブリックビューイングは新モードの活用方法の一つを株式会社札幌ドームとしてお示しするために開催をいたしました。なおイベント開催に関する費用については、本イベントに限らず、全てのイベントにおきましてお答えできかねますのでご了承ください」

地元企業関係者はいう。

「1~2万人を収容するイベント施設は市内にほかにもあり、10億円もかけて同じようなものをつくるのは経済合理性に欠く。第三セクターである以上、札幌ドームの経営が行き詰まれば救済のために再び税金が投入されるのは目に見えており、今年度も赤字は3億円以上に膨らむとみられている。いっそのこと解体して、収益を生む別の施設にするなり、土地を民間企業に売却して止血したほうが、税金の無駄遣いを続けるよりよい」(地元企業関係者)

(文=Business Journal編集部)

提供元・Business Journal

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