「加湿器を使っているけれど、掃除をしたことがない」という人もいるのではないでしょうか。加湿器を掃除せずに使用すると、雑菌やカビの温床になり、人体に影響を及ぼしかねません。

加湿器のお掃除方法を解説! 乾燥に備えてしっかり掃除しよう
(画像=『BCN+R』より引用)

本稿では、加湿器の掃除方法についてくわしくレクチャーします。「これから買おう」「買ったけど使っていない」という人はもちろん、掃除をしたことがないという人は、記事を参考に加湿器を掃除してみてください。

加湿器を掃除する必要性

加湿器は普段何気なく使っている家電のひとつ。特に冬場などの乾燥した季節に重宝するアイテムです。しかし「乾燥を防ぐために電源をつけて、そのまま……あとは放置」という人が多いのではないでしょうか。

加湿器は、定期的な掃除が必要なアイテムです。ここでは、なぜ加湿器を掃除する必要性があるのかについて、くわしく解説します。

掃除をしないことによるリスク

加湿器のお掃除方法を解説! 乾燥に備えてしっかり掃除しよう
(画像=『BCN+R』より引用)

掃除をしないことにより引き起こされるリスクは、以下のとおりです。

■雑菌やカビの温床になる
■健康を害する可能性もある
■加湿能力が低下する可能性がある

そもそも加湿器とは、水を水蒸気にして空気中に放出し、室内の湿度を高める家電です。実は水蒸気を発生させるために使用する水にこそ、掃除が必要になる原因が隠されています。

「水しか使っていないため、汚れないのでは?」と考えてしまうかもしれません。水にはカルシウムやマグネシウムといったミネラルをはじめ、さまざまな成分が含まれています。水は蒸発しても、それらの成分が残るため、水アカなどの汚れが蓄積していくのです。

また、水道水には「カルキ」と呼ばれる塩素が含まれており、消毒効果をもちます。ただし、カルキの消毒効果が加湿器内で続くのは半日~1日程度です。加湿器を掃除せずに使い続ければ、湿気によって発生した雑菌やカビが繁殖し続けてしまうでしょう。結果的に、雑菌が増えた水で生成された水蒸気を雑菌や悪臭とともにばら撒き続けることになります。

タンク内で繁殖したカビや細菌とともに放出された水蒸気を吸い続けると、健康を害する恐れも否定できません。次のような症状が起きてしまう可能性があります。

■咳
■喉の痛み
■発熱
■喘息、気管支炎、扁桃炎
■過敏性肺臓炎(アレルギー性の肺の病気) など

汚れた加湿器を使用することで心配されるのが「加湿器病」です。加湿器病とは、レジオネラ肺炎や過敏性肺炎などの病気をいいます。高齢者や新生児など免疫力が低下している人が発症し重症化すると、命にかかわる恐れもあるため注意しましょう。

加えて、加湿器のパフォーマンスが落ちる原因にもなります。水垢は加湿器のフィルターが目詰まりする原因の1つです。吸気口にホコリがたまって詰まってしまった場合も、加湿の性能が落ちることがあります。人体へ影響を与えるだけでなく、加湿器の性能も落としてしまうため、掃除を心掛けましょう。

加湿器につく汚れの種類と落とし方

加湿器のお掃除方法を解説! 乾燥に備えてしっかり掃除しよう
(画像=『BCN+R』より引用)

次に、実際に加湿器につく汚れの種類と対処法も押さえておきましょう。加湿器につく汚れには、以下の3つが挙げられます。

  1. 吸気口のホコリ
  2. 繁殖した菌・カビ
  3. 水道水のミネラル分による水アカ

1つめが、吸気口のほこりです。加湿器の背面にある吸気口には、室内のホコリが日々たまるため、こまめな掃除が欠かせません。放置しておくと吸気口が目詰まりしてしまい、加湿量が低下したり、ホコリに菌やカビが繁殖して悪臭が生じたりしてしまいます。掃除機で吸うなどして、定期的に掃除しておきましょう。

2つめが、加湿器のタンクやフィルター、トレイなどに繁殖する菌やカビです。先述したように、水道水に含まれるカルキの除菌効果が効いているのは、半日~1日程度。加湿器を使い続けている間はこまめに水を替えないと、タンク内に菌が繁殖したり、カビが生えたりしてしまいます。

加湿器などによく繁殖するピンク色のカビには、重曹が効果的です。重曹は水に溶かして使用しますが、沸騰させると洗浄力がよりアップします。

【落とし方】

  1. 鍋に水1リットル、重曹50gを入れて溶かし、重曹水を作る
    2 少し熱めのお風呂くらいの温度になるまで冷ます
  2. カビが生えている加湿器のパーツを入れて30分ほどつけ置きに
  3. 加湿器のパーツを水ですすいで、乾かす

なお、汚れがひどい場合は、「重曹:水=3:1」の割合で重曹ペーストを使って、こすり洗いをすると効果的です。

加湿器につく汚れの3つめに、水道水のミネラル分による水アカが挙げられます。水道水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分や塩素が加湿器内に残って固形となり、タンクやフィルターに付着したものが水アカです。悪臭の原因となったり加湿能力の低下を招いたり、さまざまな悪影響を引き起こします。

水アカはパーツをこまめに水洗いすることで、ある程度抑えることが可能です。それでも落ちにくい場合は、クエン酸での洗浄が有効でしょう。水アカの成分がアルカリ性のため、酸性のクエン酸で中和する方法です。

【落とし方】

  1. バケツに1リットル程度の水かぬるま湯、クエン酸15gを入れて溶かす
  2. バケツに加湿器のパーツを入れて、1時間程度つけ置きする
  3. スポンジや歯ブラシなどでパーツの汚れを掃除する
  4. 掃除後にパーツを水でよくすすいで、よく乾かす

加湿器の掃除方法

続いて、加湿器の掃除方法をレクチャーしましょう。加湿器は、その方式によって以下の4種類に分類されます。

■気化式
■スチーム式
■超音波式
■ハイブリッド式

それぞれの加湿方式などで、汚れ方にも違いがあるため注意が必要です。まずは、自分の持っている機種がどれに当たるのかを把握することから始めましょう。

気化式

加湿器のお掃除方法を解説! 乾燥に備えてしっかり掃除しよう
(画像=『BCN+R』より引用)

気化式は、水を含んだフィルターにファンで風を当てて蒸発させるタイプの加湿器です。加熱をしないために雑菌が繁殖しやすく、カビが生えやすいデメリットがあります。他のタイプに比べて汚れやすいため、定期的なフィルターの交換や掃除が欠かせません。

【気化式の掃除方法】
トレイやフィルタ―はカビや水アカなどで汚れやすいため、本体から外して水洗いするといいでしょう(2週間に1回程度)。

  1. 加湿器からフィルターを外す
  2. フィルターを水で押し洗いをして、水で洗う
  3. フィルターを乾かしてから、取り付ける

【カビが気になる場合】

  1. 鍋に水(1リットル)と、重曹(50g)を入れて重曹水を作る
  2. 少し熱めの温度まで冷ます
  3. カビが生えたパーツを入れてつけ置く(30分)
  4. 加湿器のパーツを水で洗って乾かす

【水アカが気になる場合】

  1. バケツに水かぬるま湯(1リットル)、クエン酸15gを入れて溶かす
  2. バケツに加湿器のパーツを入れて、約1時間つけておく
  3. スポンジや歯ブラシなどでパーツの汚れを掃除する
  4. 掃除後にパーツを水でよくすすいで、よく乾かす