U22日本代表の選手たち 写真:Getty Images

 U22日本代表とU23韓国代表は、ともに第19回アジア競技大会(杭州アジア大会)男子サッカー競技で決勝トーナメント1回戦(ラウンド16)に進出。日韓戦が決勝まで実現しないことが確定したことを巡り、両国メディアが火花を散らしているようだ。

 国内組中心の日本は、グループリーグ初戦でMF谷内田哲平(京都サンガ)らのゴールによりカタールを3-1で下すと、パレスチナ戦でも谷内田のゴールによるリードを最後まで守り抜き、1-0で勝利。グループリーグ2戦2勝でD組首位通過を決め、決勝トーナメント1回戦でA組3位のミャンマーと対戦することが決まっている。

 一方の韓国代表は、MFイ・ガンイン(パリ・サンジェルマン)をはじめA代表招集歴のある一部選手がメンバー入り。グループリーグ初戦でクウェートを9-0で下すと、タイ戦でも4-0と快勝。最終戦でもバーレーンに3-0と勝利し、E組首位で決勝トーナメントへ。ラウンド16ではキルギスと対戦するほか、準々決勝では開催国の中国と激突する可能性がある一方、準決勝までに日本、イラン、北朝鮮と顔を合わせることはない。

 この決勝トーナメントの組み合わせについて、韓国紙『朝鮮日報』は「日本メディアが韓国サッカーをねじった。恣意的解釈だ」として、韓国が日本と決勝まで対戦しないことに対する認識の齟齬を主張。

 日本メディアの報道内容を「韓国が決勝まで日本と対戦しないことについて、韓国国内では『日本を避けられた』『日本とはやりづらい』といった報道がされており、準決勝まで日本との対戦を避けたことに満足している」と紹介した上で、韓国側の立場として以下のように綴っている。

 「韓国が決勝トーナメントに進む道には、イラン、日本、北朝鮮と厄介な相手がいない。決勝まで勝ち進まなければ出会えないのだ」

 さらに『朝鮮日報』は、日本国内での「U22日本代表には大学生も含まれており、事実上の“2軍”メンバーだ。それでも韓国は日本を最大のライバルと認識している」という報道に対して、「日本はパリ五輪に備える戦略だ。ただ韓国の場合は兵役免除がかかっており、他国代表とは事情が異なる」と、金メダル獲得で代表選手の兵役が免除されることを紹介。

 「オーバーエイジ選手も抱えている韓国は、日本を怖がってない。最近の日韓戦では日本に圧倒され続けているが、今回の杭州アジア大会では韓国の方が戦力は整っている。無難に金メダルを獲得できる見通しだ」と綴っている。