倉石はソ連とのサケ・マス交渉が目前に迫っていることを知ってか知らずか、「大臣、今夜がその日です」と言うと、「君しか出ないという電話の番号を教えてくれ」と言う。

夕刊に間に合う時間に倉石レポートが入ってきた。「サケ・マス9万トン」と条文通りに倉石が読んでいる。北方の漁船は港を離れて漁場に向かった。

水産庁長官が石倉大臣に「農業基本法全文が洩れました」と謝りに来たそうだ。大臣は「気を付け給え」と一言、言ったという。

屋山 太郎(ややま たろう) 1932(昭和7)年、福岡県生まれ。東北大学文学部仏文科卒業。時事通信社に入社後、政治部記者、解説委員兼編集委員などを歴任。1981年より第二次臨時行政調査会(土光臨調)に参画し、国鉄の分割・民営化を推進した。1987年に退社し、現在政治評論家。著書に『安倍外交で日本は強くなる』など多数。

編集部より:この記事は一般社団法人 日本戦略研究フォーラム 2023年9月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は 日本戦略研究フォーラム公式サイトをご覧ください。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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