「マノン」は、フランスの小説家アベ・プレヴォーの物語を、近代バレエ界の巨匠振付家の一人、サー・ケネス・マクミランがバレエにしたもの。ストーリーテリングに長けたマクミランによる、演劇的魅力をふんだんに取り入れた情緒溢れる振付は、観客の感情を揺すぶってやまない。

小説をベースにした”物語バレエ”と言われるジャンルの、最高傑作の一つと誉れ高い名作だ。音楽は、マスネのさまざまな作品の旋律を組み合わせて編曲したもので、ストーリーにも音楽にも、フランスらしい魅力が漂っている。

「白鳥の湖」で正統派グランドバレエの真骨頂を堪能するもよし、「マノン」でドラマティックなストーリーに感情を揺さぶれるもよし。パリ国立オペラ座バレエの魅力を二つのスタイルで満喫できる、楽しみな日本公演だ。

本拠地パリでも、クラシックからモダン、そしてコンテンポラリーと、魅力的なプログラムが目白押しの2022-2023シーズン。

豪華絢爛な「眠れる森の美女」Sebastien Mathe / OnP

「リーズの結婚」。ユーモアあふれるかわいらしい作品Francette Levieux / OnP

モダンバレエの大家ジェローム・ロビンスが振付けた「アン・ソル」Laurent Philippe / OnP

パリ旅行を計画するときには、ぜひ二つのオペラ座の上演スケジュールを確認し、旅にバレエ鑑賞を組み込んでほしい。パリの旅が、より一層忘れ難いものになるだろう。

バスティーユ広場に建つ新オペラ座こと、オペラ・バスティーユE.Bauer Opera national de Paris

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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