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こんにちは医師・医療経済ジャーナリストの森田です。

先日、ツイッター(X)にて手を洗う救急医Taka氏と子供へのワクチンの是非について議論しました。

9月20日から秋のワクチン接種も始まり、今回は生後6ヶ月の子供から接種対象になっていますので、子供への接種について悩まれている方々もおられると思います。

いい機会なので、ここでその議論をまとめて読みやすく時系列に沿ってご提示したいと思います。

是非参考にされてください。

なお、客観性を担保するために僕の解説などは極力省略し、できるだけ発言だけを時系列で表示します(字数が多くて画面に表示されないツイートは全文表示します)。

【全文表示】

Taka先生、コメントありがとうございます。

いくつか事実確認ですが、日本の厚生労働省はコロナワクチン接種についてこのたび努力義務・接種勧奨の対象は「高齢者や基礎疾患がある重症化リスクの高い人」のみとしています。

また、日本医師会の釜萢常任理事はこれまでの発言から一転、“すべての人への積極的接種呼びかけは不要”と明言しています。

さらに日本最大の医師限定サイトの最新アンケートでは、若手医師の過半数が「コロナワクチンの追加接種を受けない」と回答しています。

最後に最も大事な点ですが、小児へのコロナワクチン接種を「義務」や「推奨」している先進国はご指摘のアメリカの他にありますか?(日本では小児科学会は推奨していますが、上記のように厚労省は小児への接種推奨は外しました)。寡聞にして知らないので教えていただけますと幸いです。

【全文表示】

Taka先生、ありがとうございます。

>小児の学会や政府機関が科学的根拠に基づいて小児もコロナワクチンを接種した方が良いと明言している

とのことですね。まず事実確認ですが、厚生労働省は「検討した結果、乳幼児を対象にワクチン接種を進めることが適当」という微妙な表現で「接種対象」としては残していますが、一方で小児に対する「努力義務」を外しました。ですので、推奨レベルは後退していると言っていいでしょう。

また先進各国を見ると、米国は日本同様「生後6ヶ月以上の全ての者」が接種対象ですが、それ以外の国では「高齢者や免疫不全者など重症化リスクの高い者」が接種対象で、一般的な小児は接種対象にすらなっていないところが多いようです。

【3】2023年度の接種について(2)ワクチンの有効性等に係る新たな知見等について

先進各国の「小児への推奨状況」を見ても、米国・イスラエルの2国のみが「全ての小児に推奨」していますが、他の英国・カナダ・フランス・ドイツなどは「重症化リスクの高い・基礎疾患のある小児」に限定しています。

WHOは「現時点で12歳未満の小児に対する追加接種の推奨はない」と明言しています。

つまり、世界各国、専門家の間でも小児へのワクチン接種は意見が割れているということではないでしょうか。

2021年のワクチン登場の頃はほぼ義務・推奨だったことを考えると義務や推奨はしない方向へ動いているのだと思います。

科学的根拠は非常に大事ですが、それは日々変わりうるものですし、専門家の間で意見が割れているのならその解釈は社会全体で行うべきでしょう。

医師が

「小児の学会や政府機関が科学的根拠に基づいて小児もコロナワクチンを接種した方が良いと明言している」

と大上段に構えて国民を誘導するよりも、

「色々なデータがあって、専門家でも意見が割れている。だから個人個人がみんなでしっかり考えて自分で決めましょう」

と言う姿勢が求められると思います。

日本の現状で言えば、メディアの情報は「ワクチン接種推進」に偏りすぎていると思います。