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スペインには独立を望む自治州政府が2つある。カタルーニャ州とバスク州である。それにポルトガルと歴史的な関係が強いガリシア州も固有の文化をもっている。
この3つの自治州は独自の言語をもっている。カタラン語、バスク語、ガリシア語である。バレンシア州にもバレンシア語が存在しているがバレンシア語の場合は独立した言語だ、或いはカタラン語の派生語だと意見が2つに分かれている。
今月21日、スペイン下院はこの3つの言語を上下院内で公用語として承認された。即ち、議会でスペイン語以外にこの3つの言語で演説や議事応答ができるようになったということである。
この議決に導いたのはただ一つの理由からだ。7月23日に総選挙が実施されたが、どの政党も過半数の議席獲得でない。他党と連携して議席票を集めても党首の首班指名で国民党(PP)は4議席足らない。一方の社会労働党(PSOE)も同じく4議席足らないという事態になっている。
そこで現在、暫定首相として政権を預かっている社会労働党のサンチェス氏がこのまま政権を継続できるように上記3つの地域の独立政党からの支持を仰ぐために議会でこの3つの言語を公用語とさせたのである。