浦和レッズは今月20日のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)東地区グループステージ第1節で、中国1部・武漢三鎮相手に2-2と引き分け。東京電力福島第1原発処理水の海洋放出に対する抗議の横断幕を掲げるなど、反日運動を展開した武漢サポーターと中国当局の関係を、台湾メディアが報じている。
中国国内では、福島原発処理水の海洋放出をうけて反日感情が深刻化。日本製品の不買運動や日本国内への嫌がらせ電話などが相次いでいるほか、先月には中国国内リーグ戦で日本人を攻撃する内容のチャントを中国人サポーターが熱唱していた。
そんな中、武漢開催の一戦ではキックオフ前に武漢サポーターが日本語と中国語で「海が泣いている」と書かれた横断幕を掲出し、処理水放出に抗議。試合中に多くのサポーターが「バカ」と連呼し、浦和の選手たちやサポーターを攻撃したほか、試合後には日本国旗に火をつけて引きちぎるサポーターの姿も見られた。
台湾メディア『NOW news』は、中国における反日運動の一例として、武漢サポーターの愚行を紹介。
「武漢サポーターによる一連の行動は、間違いなく中国当局によって黙認され、奨励されている。浦和レッズ所属選手は、処理水の放出とは一切関係ない。政治的および人種差別的なスローガンにあたる」と非難するとともに、「日本側が国際サッカー連盟(FIFA)に訴えたら、中国側は処罰される可能性がある」とFIFA規定違反の可能性を指摘した。
なお台湾の中央通信社は、試合開催から数日経った今も中国側に抗議の意思を表明していない浦和や日本サッカー協会(JFA)に言及。「スタジアム内外での政治的発言・行為を禁止しているFIFAの規定を破った。それにも関わらず、JFAと浦和は特に立場を表明しないようだ」と、アクションを起こさない日本側の対応に疑問を投げかけている。