伊藤洋輝 写真:Getty Images

 オランダ1部アヤックスは24日、日本代表FW上田綺世ら擁するフェイエノールトと対戦も、サポーターの暴動により試合中止。ブンデスリーガ(ドイツ1部)VfBシュツットガルト時代にMF遠藤航(現リバプール)やDF伊藤洋輝の獲得に尽力し、今夏シュツットガルトから伊藤を引き抜こうとしたスベン・ミスリンタットFD(フットボールディレクター)が解任されている。

 アヤックスは今年夏、シュツットガルトに対して伊藤の獲得オファーを2度提示したが、いずれも却下。同選手獲得に失敗すると、今季リーグ戦開幕から4試合で1勝2分1敗。2部降格圏手前に低迷する中、フェイエノールトとのダービーマッチでも3点を先行され、サポーターの暴徒化に発展していた。

 試合中止後、クラブはミスリンタットFDの解任を公式発表。オランダ紙『デ・テレグラーフ』の報道によると、同FDはフェイエノールト戦前、ロッカールームに乱入してモーリス・スタイン監督解任の可能性を選手に伝えたとのこと。その時、指揮官はロッカールームにいなかったが、選手たちは監督解任の通告を「非常に脅迫的」と感じていた模様。この行為が、FD解任につながった要因のひとつとみられる。

 ミスリンタット氏は2006年7月から10年以上にわたり、ドルトムントの幹部として香川やFWピエール=エメリク・オーバメヤン(現オリンピック・マルセイユ)ら有望選手の獲得を手掛けると、2019年4月から昨年11月にかけてシュツットガルトのスポーツディレクターを担当。今年5月からアヤックスのFDを務めていた。

 また同氏は先日、オランダのスポーツ専門チャンネル『Ziggoスポーツ』のインタビューで、「新戦力を獲得する時、私はその選手がプレーしているリーグを判断材料とするのではなく、選手自身のクオリティを評価する。勇気をもって評価すれば、才能豊かな選手はどこにでも現れる。そうした事例は日本人選手で見てきた。新戦力の獲得に自信があるんだ」と日本人選手獲得に言及していた。