浦和レッズは今月20日のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)東地区グループステージ第1節で、中国1部・武漢三鎮相手に2-2と引き分け。東京電力福島第1原発処理水の海洋放出に対する抗議の横断幕を掲げるなど、武漢サポーターの“反日運動”が物議を醸す中、浦和や日本サッカー協会(JFA)の対応にも注目が集まっている。
武漢体育中心体育場で開催された一戦では、キックオフ前に武漢サポーターが日本語と中国語で「海が泣いている」と書かれた横断幕を掲出。試合中に多くのサポーターが「バカ」と連呼したほか、試合後には日本国旗に火をつけて引きちぎるサポーターの姿も見られた。
中国国内では、福島原発処理水の海洋放出をうけて反日感情が深刻化。日本製品の不買運動や日本国内への嫌がらせ電話などが相次いでいるほか、先月には中国国内リーグ戦で日本人を攻撃する内容のチャントを中国人サポーターが熱唱していた。
それだけに台湾の中央通信社は、武漢サポーターの行為内容を伝えるとともに「武漢サポーターがこのような行為に及んだ背景には、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出による反日感情がある」と分析。
「スタジアム内外での政治的発言・行為を禁止している国際サッカー連盟(FIFA)の規定を破った。それにも関わらず、JFAと浦和は特に立場を表明しないようだ」と、武漢サポーターを非難するとともに、日本側の対応に疑問を投げかけている。
なお中国では2000年代なかばにも小泉純一郎元首相の靖国神社参拝に反発する形で、反日運動が加速。2004年7月に行われたAFCアジアカップの日本代表戦では、スタジアムにいた多くの中国人が日本国歌をブーイングでかき消したほか、日本代表サポーターが固まっているエリアに物を投げ込んだ。