U22日本代表はMF西川潤(サガン鳥栖)やMF谷内田哲平(京都サンガ)など国内組や大学生中心のメンバーで、第19回アジア競技大会(杭州アジア大会)に参戦。中国メディアが日本代表の本気度に疑問を投げかける一方、韓国メディアは冷静に日本代表のビジョンを分析している。MFイ・ガンイン(パリ・サンジェルマン)ら一部主力選手を招集したU23韓国代表と比較している。
U22日本代表のメンバーは、FW佐藤恵允(ベルダー・ブレーメン)やMF松岡大起(グレミオ・ノヴォリゾンチーノ)をのぞいた全選手が日本国内でプレーしているほか、FW内野航太郎(筑波大)をはじめ大学在学中の選手も多く選出。
日本サッカー協会(JFA)は「アジア競技大会の男子サッカー競技はU24年代の選手たちに加えて最大3人のオーバーエイジ選手を起用できる大会レギュレーションとなっていますが、日本は若い世代の強化を目指し、この大会にパリオリンピック2024を目指すU22代表で参加しています」と、公式サイトを通じて説明している。
このメンバー構成に対して、中国メディア『捜狐』は「日本は今大会の優勝候補ではない。大学選手や国内リーグ選手を中心とした平凡なメンバー構成であり、海外組は無名選手のみである。杭州アジア大会にそこまで注意を払っていない」と主張するなど、“大会軽視”だと批判していた。
一方、韓国メディア『Eコリアニュース』は「日本は今大会の上限よりも2歳年下のU22世代で代表チームを結成し、オーバーエイジ選手をひとりも選ばなかった。このようなチーム構成は、日本がアジアサッカーに留まらず、世界サッカーの未来を見据えていることを意味する」と、GK鈴木彩艶(シント=トロイデンVV)らパリ五輪出場が見込まれる選手やA代表選出経験のある選手を招集しなかった背景を分析。
つづけて「それでも日本は強かった。カタール戦では終始相手を圧倒した上で勝利した。カタールは今月6日に行われたAFC U23アジアカップ予選で韓国に2-0で勝利したチームだ」と、日本代表への警戒を強めている。
さらに同メディアは、森保ジャパンのドイツ代表撃破をきっかけに韓国国内で“日韓比較論”が沸き起こっていることもあり、過去にもアジア競技大会でFWソン・フンミン(トッテナム・ホットスパー)ら豪華メンバーを揃えた自国代表に対して「アジアサッカーに留まっている。世界を見据える日本との差は広がるだろう」と、悲観的な見方を示している。
なお日本代表は20日に行われたグループリーグ初戦で、谷内田らのゴールによりU24カタール代表相手に3-1と勝利。25日にU24パレスチナ代表と対戦する。