ファッションは「コミュニケーションツール」

 SNSでの見え方を考えると、大きなバッグを持っている場合、そちらにばかり視線がいって悪目立ちしてしまう。端的に言えば“映えない”わけだ。

「Z世代はTwitterでもInstagramでも、平均2~3個のアカウントを所持しています。属するコミュニティごとにアカウントを使い分けるためです。我々も、会社で働いているとき、友人と過ごすとき、恋人とデートしているときなど、環境や相手によって自分の見せ方を変えますよね。SNSでも、環境や相手によってアカウントを切り替え、見せ方を変えたいという人が多いのです」(同)

 SNSでの自分の見せ方には、現実以上に視覚的な工夫が欠かせない。そのため若者は、その服装や持ち物が“映える”かどうかをとても気にするのだ。

「日によってファッションの“系統”ごと変える若者もいます。たとえば“推し”のライブに行く日はかわいらしいフレンチガーリー系に、ストリートファッションが好きな友だちと遊ぶ日は自分もストリート系の服装にする、などです。なぜなら、その方がSNSに投稿したときに“映え”たり、一緒に写っている友人とより仲良しに見えたりするから。言うなれば『TPOに合わせる』という考え方に近く、その判断基準の中に『SNS』も入っているという感じです」(同)

 ZARA、H&M、SHEIN、GRLといったファストファッションブランドで服を安く買い揃えやすいという点も、彼女たちの視覚的工夫のモチベーションを後押ししている。これまでファッションは「自己表現の手段」だったが、Z世代にとっては、その先のSNSの投稿までを含めた「コミュニケーションツール」として捉えられているようだ。

 口周りに空間のある「くちばしマスク」も、新型コロナウイルスが流行した当初は若者が多く使用しており、ミドル世代は見慣れない形状ゆえに抵抗感を覚えた人も少なくなかっただろう。だが、しゃべりやすさ、呼吸のしやすさが万人に受け、今や中年男性が使っている姿も珍しくなくなった。

 同様に「スマホショルダー」も、広い層に利便性が届いていけば、近い将来にはビジネスパーソン必携のアイテムとなっていくかもしれない。

提供元・Business Journal

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