バヒド・ハリルホジッチ監督 写真:Getty Images

 サッカー日本代表「森保ジャパン」は、今月の欧州遠征でドイツ代表とトルコ代表に勝利。特にFIFAワールドカップ・カタール大会(カタールW杯)グループリーグにつづきドイツを下したことが話題を呼んでいるが、元日本代表監督のバヒド・ハリルホジッチ氏も森保一監督の努力やDF冨安健洋(アーセナル)ら一部選手のパフォーマンスを称えている。

 日本時間の今月10日未明に行われたドイツ戦では、序盤から積極的にプレスを仕掛けたこともあり、前半11分にFW伊東純也(スタッド・ランス)のゴールで先制。同19分にFWレロイ・サネ(バイエルン・ミュンヘン)にゴールネットを揺らされたものの、3分後にFW上田綺世(フェイエノールト)が勝ち越しゴールを決める。

 すると森保監督は自陣左サイドが弱点と見るや、後半キックオフに4バックシステムからDF板倉滉(ボルシアMG)、冨安、伊藤洋輝(VfBシュツットガルト)の3バックシステムへ変更。後半14分にはDF谷口彰悟(アル・ラーヤン)を投入して守備を固めると、終盤に2ゴールを奪取。ドイツ代表の枠内シュートを3本に抑えて、白星を飾った。

 森保ジャパンの戦いぶりには、2018年のロシアW杯開幕直前に日本代表監督を解任されたハリルホジッチ氏も注目。クロアチアメディア『tportal』のインタビューに応じた際、ドイツ戦のパフォーマンスや森保ジャパンの可能性について、以下のように評している。

 「カタールW杯以降、森保監督は毎試合綿密に戦略を練り上げて試行錯誤を繰り返し、選手個々もプレーに磨きをかけてきた。それが自信に繋がっていたし、日本代表の選手たちは規律を持ってプレーしていた。フィジカル面で準備が整っており、トランジションやカウンターが強力になっている」

 「欧州の強豪にも渡り合えるだけの選手が、今の日本代表に揃いつつある。だからこそ私は日本代表がW杯優勝国相手に、対等ではなく支配的な試合ができたと思う。このまま順調にチーム全体の完成度を高めることができたら、次回のワールドカップでベスト8に進出できるだろう」

 くわえて同氏は「冨安と板倉が安定した守備を見せた。だからアタッカーは攻撃に集中できたと思う」と、森保ジャパンの強みが冨安と板倉のセンターバックコンビにあると主張した。

 なおハリルホジッチ氏は、ドイツ代表のプレーについて「技術面でのミスが多く、ボールを失う場面が多かった。それが選手同士の衝突を引き起こし、チーム全体のパフォーマンスをより深刻なものにした。モチベーションの低下も感じられた」と私見を述べている。