中国1部・武漢三鎮は、今月20日のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)東地区グループステージ第1節で浦和レッズ相手に2-2と引き分け。武漢サポーターが試合前、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出を揶揄する横断幕を掲げたことが波紋を呼んでいる。
中国国内では、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出をうけて反日感情が深刻化。日本製品の不買運動や日本国内への嫌がらせ電話などが相次いだほか、先月には中国国内リーグ戦で日本人を攻撃する内容のチャントを中国人サポーターが熱唱。ACL公式戦への影響は必至とみられていた。
そんな中、武漢体育中心体育場で開催された一戦では、キックオフ前に武漢サポーターが日本語と中国語で「海が泣いている」と書かれた横断幕を掲出。中国メディア『網易』は「東京電力の処理水放出に対する軽蔑であり、反日感情の表れだ」と伝えている。
またX(旧ツイッター)上では、横断幕が掲出された時の様子が拡散。武漢サポーターの行為に反発する声が上がっているほか、中国への嫌悪感を示す日本のSNSユーザーが多く見られる。
この試合では浦和が10分に先制ゴールを許すも、55分にFWブライアン・リンセンのゴールで同点に。62分にPKから失点したが、後半アディショナルタイムにFWホセ・カンテの劇的ゴールにより、勝ち点1をつかんでいる。
なお今季のACL東地区グループステージでは、浦和の他にも横浜F・マリノスとヴァンフォーレ甲府が中国クラブと対戦する。2000年代なかばの反日運動や、2004年7月に行われたAFCアジアカップの日本戦における中国人の妨害行為が記憶に新しいだけに、今後の影響が心配される。