本社移転先の環境
不正行為が次々と発覚するなか、同社の業績は悪化している。15日付「NHK NEWS WEB」記事によれば、8月の中古車の販売台数は例年と比べて7割以上の減少、車の買い取り台数は5割以上の減少となっている。8月には銀行団から借入金90億円の借り換えに応じない旨を伝えられており、資金繰りのため中古車販売店「ガリバー」の運営会社IDOMの株式売却を検討していると報じられているが、そんな資金繰り対策の一環が前述の本社移転だ。
現在の本社所在地である六本木ヒルズ森タワーには、ゲーム関連会社のポケモン、フリマアプリ運営会社のメルカリ、外資系証券会社のゴールドマン・サックス証券など名だたる有名企業や大手法律事務所などが入居しているが、不動産業界関係者はいう。
「以前に六本木ヒルズに入っていた企業の人に聞いたところによると、ワンフロアの月の家賃が約2000万円もかかり、家賃を払うために利益を稼がなければならないような気分だと言っていた。その企業はその後、別の新築オフィスビルから好条件での入居をオファーされ、そちらに移った。今はどうか分からないが、以前の六本木ヒルズはオフィスビルとしての箔をつけて入居希望企業を増やすためなのか、一部の有名企業には破格の安い家賃を提示して入居させていた。
竣工してからすでに20年がたち、それなりに老朽化してオフィスビルとしての『新しさ』は失わているだろうし、現在では六本木に会社を置くことにビジネス上のメリットがそれほどあるわけではなく、そもそも六本木駅というのはちょっとアクセスが不便という面がある。今のトレンドとしては、山手線沿線で再開発が進む渋谷駅や五反田駅、東京駅のエリアのほうが勢いのある企業からは人気が高いという印象」
とはいえ、都心の繁華街に位置し六本木駅と直結している六本木ヒルズの利便性は論を待たないが、そこを後にしてビッグモーターが本社を移す先の多摩店は、どのような立地環境なのだろうか。
多摩店の住所は東京都多摩市貝取5-3、最寄り駅は京王・小田急多摩センター駅か京王・小田急永山駅。インターネットで調べると、前者からの道のりは2.8kmで徒歩約39分、後者からは道のり2.5kmで徒歩約34分。県道18号線鎌倉街道沿いに立地しており、すぐ近くには「メルセデス・ベンツ多摩」や「日産東京販売 多摩ニュータウン店」などがある。
「多摩センター駅周辺には企業の大規模なシステムセンターなども多く、商業施設もあるので、そこそこ開けてる。ちなみにかつては百貨店の三越もあったが、数年前に撤退した。ビッグモーター多摩店がある駅の南側方面は、駅から10分も歩けば、周りに遮るものがなく、夏は直射日光にさらされるので、駅から30分もかけて歩くというのは、かなり厳しいというか、無理だろう。ビッグモーター多摩店の近くにバスの停車場があるかは知らないが、毎日通勤するなら車を利用するほかないのでは。六本木とは環境が何もかもすべて真逆といっていいエリアで、ランチを食べられるような店も近くに多くはないだろう。それにしても六本木ヒルズからいきなりここに本社を移すといのは、言い方は悪いが、ものすごい落差というか、『都落ち』感がハンパない。そんなこと実際にあるんだな、というのが正直な感想」(多摩センター駅を利用する会社員)
(文=Business Journal編集部)
提供元・Business Journal
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