中国1部・武漢三鎮は、今月20日のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)東地区グループステージ第1節で浦和レッズと対戦する。その浦和戦を前に、外国人選手が突如チームを離れるなど、異変が起こっているようだ。
武漢は2021シーズンに中国2部リーグを制すると、昨季は昇格組ながらも1部リーグを優勝。ただ今季は開幕ダッシュに失敗すると、6月にペドロ・モリージャ監督を解任し、かつて川崎フロンターレを率いていた高畠勉氏を招へい。リーグ戦25試合を終えて11勝9分5敗と、首位クラブから勝ち点14差の5位まで追い上げている一方、かつて横浜F・マリノスやガンバ大阪でプレーしていたブラジル人FWアデミウソンなど複数の外国人選手が今年夏に退団している。
また同クラブは先月28日、親会社が今年8月末をもって出資を打ち切り、保有株をすべて無料で手放すと公式発表したが、中国メディア『網易』は湖北省の観光投資グループがクラブ買収に動いている可能性を報道。ホームスタジアムやクラブ施設は通常通り使用可能な状況であり、クラブ存続との見方が広まっていた。
そんな中、中国メディア『捜狐』の報道によると、浦和戦の数日前にDFワラシが突然チームから離脱して中国を出国。セリエA(イタリア1部)ラツィオでのプレー経験を持つブラジル人選手は外国人枠の兼ね合いもあり国内リーグ戦の登録枠から外れた一方、ACLの出場登録メンバーには名を連ねていただけに波紋を呼んでいる。
また『捜狐』は武漢の現状について「(今月19日時点で)クラブの株を引き継ぐ意思を表明した企業はまだない」と報道。アデミウソンをはじめ外国人選手の退団やワラシのチーム離脱を「非常に深刻な財政状況にある証」と指摘しているほか、今後の見通しについて以下のように分析している。
「チーム内の不協和音が総合力に直接影響を与えており、今や中国1部リーグで二流レベルにまで落ち込んでいる。来季も1部で戦うかどうか疑問符がつく」
ACLグループステージで浦和、浦項スティーラーズ(韓国1部)、ハノイFC(ベトナム1部)と対戦する武漢。クラブ内部で問題を抱えているだけに、ピッチでの戦いに集中できない可能性が浮かび上がっている。