稲本潤一(写真左) 写真:Getty Images

 関東サッカーリーグ1部・南葛SC所属の元日本代表MF稲本潤一は、かつてアーセナルなどプレミアリーグ(イングランド1部)の複数クラブでプレー。今月18日に44歳の誕生日を迎える中、現地メディアが同選手のプレミアリーグ挑戦を振り返るとともに、日本メディアの報道にも触れた。

 稲本は2001年にガンバ大阪からアーセナルへレンタル移籍も、2001/02シーズンのプレミアリーグで出番なし。日韓W杯後に出場機会を求めてフラムへ移籍したが、怪我の影響によりわずか2年で退団。その後はウェスト・ブロムウィッチ・アルビオンFC(WBA)やカーディフに在籍していたが、結果を残せなかった。

 英紙『デイリースター』は今月19日に「プレミア移籍後、稲本潤一は『ベッカムより大きい存在』と言われたが、信念を欠いていた」と見出しをうち、「日本メディアによる騒ぎの中、彼は国民の期待に応えられなかった」と酷評している。

 稲本はアーセナル移籍当時、金髪で派手なヘアスタイルで注目を集めていただけに、日本メディアが元イングランド代表のデビッド・ベッカムと比較されていた。

 それだけに『デイリースター』は「稲本が何をしようと、どこに行こうと、彼の行動をすべて追う」という日本メディアの報道内容を紹介した上で、「日本メディアにとって残念だったのは、アーセナル加入から1年間にわたり稲本に関して報道するものがほとんどなかったことだ」

 「アーセン・ベンゲル監督から彼に対して、トップチームでプレーするために与えられた時間はわずか149分。プレミアリーグでは一切与えられなかった」と綴っている。

 なお『デイリースター』によると、ベンゲル監督は稲本をほとんど起用しなかった理由について、以下のようなコメントを残したという。

 「彼には基本的なクオリティが備わっていたが、プレミアリーグでボックストゥボックスのアップダウンをこなすミッドフィールダーになるには、フィジカル面やスタミナ面で欠けているものがあった」

 「それに稲本は自分のクオリティにやや自信を持っていなかった。彼は非常に優れたサッカー選手だったが、日本人選手が他の国々のレベルに達しているとは感じていなかった」