サッカー日本代表「森保ジャパン」では、MF三笘薫(ブライトン)やFW伊東純也(スタッド・ランス)など大卒選手が活躍。ドイツ戦後に“日韓比較論”が韓国国内で沸き起こる中、かつてセレッソ大阪やヴィッセル神戸でプレーしていた韓国人指導者が大学サッカーの現状を嘆いている。
日本代表は、カタールW杯グループリーグにつづきドイツ代表を撃破。4ゴールを奪いハンジ・フリック監督を解任に追い込むと、中1日で迎えたトルコ戦でも4-2で快勝。欧州強豪国を下したことにより、海外での評価をさらに高めている。
一方の韓国代表は、カタールW杯以降の国際親善試合で1勝3分2敗。今月8日に行われたウェールズ戦ではFWソン・フンミン(トッテナム・ホットスパー)、DFキム・ミンジェ(バイエルン・ミュンヘン)など主力選手が揃って先発出場も、0-0で終了。サウジアラビア戦ではFWチョ・ギュソン(ミッティラン)の決勝ゴールにより1-0と勝利も、守備面で不安定なパフォーマンスを露呈した。
A代表のみならず、年代別代表でも日韓戦でことごとく敗れている韓国代表。森保ジャパンのドイツ代表撃破をうけて、韓国国内では「日韓サッカーの差がさらに広がった」という論調が強まっている。
元Jリーガーで韓国の亜洲大学校サッカー部監督を務めるハ・ソクジュ氏は、日韓格差の要因が大卒選手の輩出具合にあると主張。韓国メディア『スポーツワールド』のインタビューで、以下のようなコメントを残したという。
「日本では大学にいる選手がプロ契約を結んでも、卒業してから活躍している。大卒選手が活躍するためのシステムが機能している。今の韓国は曖昧な状態だ。環境が整っていないのに、勉強を追求するシステムができた。(大学在学中の)運動量が不足するという状況に陥っている」
「高校時代から優れている選手たちはプロに行くのが正しい。そうでない選手たちは、(プロサッカー選手になるために)大学で時間を持つことも重要だ。そうすれば、遅れて頭角を現す選手もいる。プロサッカー選手でなくても卒業して指導者、代理人など自分ができることを探せば良いのに、あまりにも簡単にあきらめる。日本人選手との格差が広がるばかりで残念だ」
同メディアはハ・ソッチュ氏のコメントをうけて「変化する環境の中で大学サッカーは特に困難を極めている。Kリーグ(韓国プロサッカーリーグ)で22歳以下の義務出場規定を実施し、大学2年生まで就職しなければサッカー選手を諦める人も増えている。プロサッカー選手になるという夢を簡単に諦める選手が多い」と、韓国大学サッカーの実情を説明している。