日本のスマホ市場ではアップルの「iPhone」が絶対的な人気を誇っているが、近年はiPhoneよりも価格が安いグーグルの「Pixel」もじわりと人気が高まっている。2021年10月に発売された「Pixel 6」の音声文字起こし機能について、実業家の堀江貴文氏がTwitterでその精度の高さを賞賛しているが、ほかにもPixelを高く評価する声は少なくない。日本の家電量販店・ECサイトの実売データをまとめた「BCNランキング(スマートフォン)」(23年3月6日~3月12日)によると、「Pixel 6a」が7位に入っている。上位がほぼiPhoneシリーズの独壇場なことを踏まえると、健闘しているといえるのではないだろうか。

そこで今回はグーグルのPixelの特徴や利点、さらにiPhoneと比較してどちらのほうが今お買い得なスマホといえるのかを、スマホジャーナリストの石川温氏に解説してもらった。

比較するのは「iPhone SE(第3世代)」と「Pixel 6a」

「お手頃な価格帯でありながら、機能的にもあまり見劣りしない、ライトユーザーが手に取りやすい機種という基準で選ぶのなら、iPhoneは『iPhone SE(第3世代)』、Pixelは『Pixel 6a』がちょうどいい比較対象でしょう」(石川氏)

iPhone SE(第3世代)は、22年3月に発売されて以来、衰えぬ人気を誇っている機種。近年は大型化が顕著なiPhoneシリーズのなかでも片手で扱いやすいコンパクトなサイズ感が特徴だ。64GB、128GB、256GBの3種類が用意されており、値段は64GBのモデルが6万2800円(税別、以下同)、128GBのモデルが6万9800円、256GBのモデルが8万4800円となっている。

対するPixel 6aは、22年7月に発売された機種。Pixelとしては一番人気のある機種といってもいいだろう。ストレージは128GBのみで、5万3900円。

「グーグルとしてはPixel 6aでは性能を高めつつ、安価な価格設定にしているなど、アップル・iPhone SEを狙い撃ちにしている感がありますね」(同)

なるほど、iPhone SE(第3世代)の同容量モデルと比較すると、Pixel 6aは1万5900円近くも安くなっているわけか。