ストーンヘンジは“古代のカレンダー”ではない!? 古天文学者が反論「根本的な欠陥がある」
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 世界の七不思議のひとつに数えられることも多いイギリスのストーンヘンジ。誰が、何のために築いたのかいまだ不明の巨石遺跡だが、古代の天文台やカレンダーとして用いられていたという説が有力視されていた。だが、新たな研究によってこの定説が覆される可能性が出てきて話題になっている。

 昨年3月、考古学者のティモシー・ダーヴィル氏は従来の説を支持し、補強する論文を発表して大きな話題となった。この研究でストーンヘンジの謎が解決に近づいたとメディアで紹介されたが、誰もが論文の内容に納得していたわけではなかった。このダルヴィル氏の研究に対して、古天文学の専門家であるフアン・アントニオ・ベルモンテ氏とジュリオ・マグリ氏が共同で新しい論文を発表、その中で「ストーンヘンジの天文学的関連性は強引な解釈と、議論の余地がある数秘術や根拠のない類似性に基づいている」と反論しているのだ。

 ベルモンテ氏とマグリ氏は、ストーンヘンジ=古代の天文台・カレンダー説の根拠とされる「ストーンヘンジから見える夏至の太陽の位置が極めて正確」である事実は認めたものの、この配置は「1年の日数を推測するための証拠にはなり得ない」と述べている。さらにダーヴィル氏がストーンヘンジで発見した石の数に意味を見出すことに難色を示している。特に、ダーヴィル氏の研究では12という数字に大きく依存しているが、この数字はストーンヘンジの「どこにも認められない」とし、暦に必要なうるう年を説明するメカニズムが指摘されていないことや「他に確認できる意味のありそうな数字が単に無視されている」点を指摘。ダーヴィル氏の論文は「非常にリスクのある方法で作られている」と述べている。

 最後に、ベルモンテ氏とマグリ氏は「ストーンヘンジが太陽に由来した暦であるという説はエジプト経由でイングランドに広まった後に生まれた」というダーヴィル氏の提案にも「考古学的根拠がない」と異議を唱えている。そのためこの説は「純粋に現代的な構成」であり「厳しいストレステストにかけると根本的な欠陥が出る」と結論付けている。

 ちなみに、類似の事例は過去にも存在していた。かつてストーンヘンジは日食を予言できると考えられていたのだが、その仮説は科学的に否定されている。今回の反論についてダーヴィル氏は「Live Science」に、「この研究は論文で提示された本質的なモデルを損なうものではない」と述べ、ストーンヘンジの目的に関する議論は今後も続くだろうと語っている。

参考:「Coast to Coast AM」ほか

【本記事は「ミステリーニュースステーション・ATLAS(アトラス)」からの提供です】

ストーンヘンジは“古代のカレンダー”ではない!? 古天文学者が反論「根本的な欠陥がある」
(画像=『TOCANA』より 引用)

文=勝木孝幸(ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

提供元・TOCANA

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