鹿島アントラーズのゴール裏 写真:Getty Images

 鹿島アントラーズは今月16日に行われた明治安田生命J1リーグ第27節セレッソ大阪戦で、FW鈴木優磨の決勝ゴールにより1-0と勝利。MF喜田陽との接触でMFディエゴ・ピトゥカにレッドカードが提示された後、“審判批判”チャントを歌った鹿島サポーターに対して、元ジュビロ磐田所属選手で日本代表OBの福西崇史氏らが苦言を呈した。

 問題視されているのは、鹿島が1-0とリードで迎えた前半23分のシーン。ピトゥカはピッチ中央からドリブルで持ち上がると、鈴木に縦パスを供給。鈴木がダイレクトでピトゥカにバックパスしたが、これに喜田が反応。ボール奪取を試みたが、自身の左すねを左足裏で踏まれて倒れた。

 これにVAR(ビデオアシスタントレフェリー)が介入すると、主審はOFR(オンフィールドレビュー)を行った末、ピトゥカに対してレッドカードを提示。鹿島ベンチが判定に抗議する中、茨城県立カシマサッカースタジアムのホームゴール裏からは「審判審判へったくそ」というチャントが沸き起こった。

 一連のシーンがX(旧ツイッター)上で拡散され、チャントの是非を問う声が沸き起こっているだけに、鹿島サポーターの振る舞いはDAZN制作番組『Jリーグジャッジリプレイ』で議論の対象に。

 ゲスト出演の福西氏は「残念」と切り出すと、「ホームゲームであり、自分たちのチームが不利になるという気持ちも分かるが、してはいけないことはしない方がいい」と、サポーターに自制を求めている。

 またサポーターからの野次やネット上での誹謗中傷メッセージ等が審判員に与える影響も話題に。元審判員の深野悦子氏は「野次に弱くて、ベンチから言われて審判を辞める人がたくさんいて、審判員の人口がなかなか増えない」

 「(スタジアムにいる)みんなで良い雰囲気を作ればとは思う。ただ野次とかブーイングなど(サポーターの)意見はあるので、それらを抑えてほしいとは思わない」と、サポーターの行為に一定の理解を示しつつも、審判員を辞めるケースが後を絶たない現状を訴えた。