私は関連記事をほとんど読んでいないので重複したら申し訳ないのですが、ジャニーズは嵐が活動休止を宣言する頃、K-POPの台頭に非常に焦りを感じていました。同社のビジネス展開手法が国際的ビジネス観点からはユニークだったのです。ご承知の通り、同社の事業はジャニーズの各々のグループ、タレントが中心となるファンクラブの運営であり、一般大衆にはその一部しか見せないという閉鎖的運営なのであります。ジャニーズはそのファンクラブ会費が大きな収益源になっています。

それに対して韓国勢はオープンなマーケティング手法を展開し、世界展開を図ります。この差は圧倒的かつ破壊的でした。韓国タレントの曲がビルボード1位を取り、北米で白人がそれを口ずさむという現象は嵐の活動休止宣言と時を同じ頃の話でした。

その後、嵐はロスアンジェルスで収録し、海外を意識したマーケティング活動もしますが、活動休止直前で付け焼刃的であったことは否めず、結局、嵐を介したジャニーズの事業国際化はほとんどなしえなかったのです。

今般、東山氏がジャニーズの名前を残す、といった時点で私は「ソレ、ダメネ!」と思ったのは彼はやはり役者であり、タレントであって経営者ではないのです。ここまで問題になったのに、単なる感傷的理由で企業継続を目指す選択は第三者的には正しい選択肢だとは思えません。日本には継承という素晴らしい思想があるけれど、何でもつなげばよいというものでもないのです。

最後に、ジュリー氏が担当する補償問題ですが、私の提案する案です。ジュリーさんは資産1000億円以上を継いだとされます。考えてみればそれはジュリーさんが稼いだのではなく、ジャニー氏が稼いだのです。ならば、私はジュリー氏が独り占めすることがそもそもおかしいという前提に立ち、もっとも妥当な解決策を提示します。

それは資産額の半分、500億円を基金として被害者救済にあて、かつ、将来的に健全なタレント育成のための社会貢献ができる財団を作り、ジュリーさんはその理事長に収まる、それでよいかと思います。そうすれば社会は納得し、被害者も理解を示すでしょう。一方、ジャニーズは清算事業とし、新会社を作り、そこにタレントを動かすという方式を取ったらよいでしょう。会社経営者である私から見た妥当と思われる解決策です。

では今日はこのぐらいで。

編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2023年9月15日の記事より転載させていただきました。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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