写真:Getty Images

現在サッカーが行われているスタジアムには、大きく分けてサッカー専用スタジアム(球技専用スタジアム)と陸上競技場の2種類がある。サッカー観戦するにおいては、陸上トラックの無いピッチのみの球技専用スタジアムの方が、見やすさや臨場感においても評価は高いと言えよう。

さらにスタジアムはただのサッカー観戦の場所だけでなく、地域交流の場であり、経済効果や地域の活性化にもポジティブな影響を与えるもの。地域に合わせたサイズかつ役割を持たせたサッカー専用スタジアムが増えることを願ってやまない。

2023年9月現在、日本では石川県、広島県、長崎県において3つのサッカー専用スタジアムが建設されている。いずれも高い満足度を得られるスタジアムとなりそうだが、ここではそれぞれの特徴を紹介したい。


ツエーゲン金沢 写真:Getty Images

金沢ゴーゴーカレースタジアム(ツエーゲン金沢)

石川県金沢市/2023年度末開業予定/約10,000人収容

石川県金沢市で建設中のサッカー専用スタジアムは、2023年度末に完成予定であり、2024年からツエーゲン金沢(J2)の本拠地として利用される。金沢市内に本社がある株式会社ゴーゴーカレーグループがネーミングライツ(命名権)を取得し「金沢ゴーゴーカレースタジアム」となった。

1991年度に竣工となった収容人数3,000人の旧金沢市民サッカー場を再整備している同スタジアム。整備費は約79億8千万円で、北陸初のJリーグ規格のサッカー専用スタジアムとなる。建設の中ではふるさと納税制度を活用してクラウドファンディングも実施され、目標1,000万円の5.6倍の5,600万円余りが集まったという。

J2のスタジアム基準を満たす約10,000人収容で、J1ライセンスを満たす15,000人規模へと拡張可能。スタンド最前列からピッチまでの最短距離が約7mで、屋根付きと観戦環境は抜群だ。バックスタンドには「KANAZAWA」の文字が描かれている。一方でアウェイ側のゴール裏には屋根がなく勾配のない数列のみで、アウェイの洗礼を体感できるかもしれない。

試合のない日やオフシーズンは、大型ビジョンを使ったパブリックビューイング(PV)などを行い稼働率向上に努める方針で、周囲には多目的スペースや約500平方メートルの備蓄倉庫を整備し災害時の防災拠点にもなるとのこと。

サンフレッチェ広島 写真:Getty Images