新NISAは現行のNISA制度とは別の制度としてスタートするため、非課税枠も別枠だ。つまり、2023年中に現行のNISA制度を利用すれば、そのぶん非課税枠を増やせるのだ。

とくにつみたてNISAの場合、2023年中に利用すると20年間も非課税枠を余分に使えることになるので、利用しないと損することになる。

損する行為2:乗り換えのために現行のNISAを売却する

現在NISA制度を利用している人は、新NISAへの乗り換えを理由に売却すると、損してしまうかもしれない。現行の制度は非課税保有期間が終了するまで運用可能だからだ。

うっかり解約すると、非課税枠を減らすことになるので注意しよう。

損する行為3:NISA口座の開設を年末に行う

「新NISAが始まるのは来年だから、NISA口座の開設は年末にすればいい」と考えていないだろうか。

2023年12月はNISA口座の開設が集中して混み合う可能性があるので、最悪、新NISAのスタート時に間に合わなくなるかもしれない。

NISA口座の開設自体は早めにしておいても損はないため、余裕をもって手続きしておくことをおすすめする。

新NISAのための切り替え手続きは不要

現行のNISA制度を利用している人は、新NISAのための切り替え手続きはとくに必要ない。現在利用中の金融機関で、自動的に新NISAの非課税投資枠が設定されるからだ。

つまり、現行の投資枠とは別に、新たに新NISAの2つの枠「つみたて投資枠」と「成長投資枠」が設定される。

現行のNISA口座は、新規の購入ができなくなるだけで、運用中の資金は非課税期間が終了するまで保有できるのだ。

資産運用は、早く始めるほど福利効果で大きく増やすことが期待できる。新NISAはもちろん、現行のNISA制度も利用してお得に資産運用を始めよう。

文・たなべようこ(金融ライター/ファイナンシャル・プランナー)
証券会社に10年勤務。主に個人向けの資産運用アドバイスを行う。現在は金融関連資格と自身の投資経験を活かして、金融ライターとして活動中。