MIRCO(ミルコ)は、2019年に大宮で創設され、現在は福島県南相馬市を拠点としている新興の機械式腕時計ブランドだ。 創業者は平岡雅康氏と渡辺達也氏。 2人は高校生の同級生で、卒業後、ともに某国産腕時計メーカーに就職。時計製造のイロハを学び、キャリアを積んでいくなかで自分たちで日本ならではの魅力を備えた機械式時計ブランドの創設を志すことになる。
彼らがコンセプトとして選んだのが、 1970年代の時計だ。70年代の時計はその個性的な意匠から、ひと昔前までは玄人好みでヒネリの効いたジャンルとして認識されていたのだが、約50年の月日を経たことで、ほかの時代の時計にはない、チャレンジ精神にあふれたデザインを再評価する動きがみられる。ミルコでは、この70年代の時計からインスピレーションを得て、当時のトレンドをリデザインし“機械式腕時計の未来と過去を繋ぐ時計”をコンセプトに、ユニークで高品質な時計を生み出している。
ここで取り上げたタイプ03はセカンドコレクションに当たるダイバーズウオッチだが、レトロなオーバルケースに加え、ベゼルと文字盤に日本伝統の色彩を取り入れているのもこだわりのポイント。胡桃染(くるみぞめ)、舛花色(ますはないろ)、茅色(かやいろ)、市紅茶(しこちゃ)、栗梅(くりうめ)など、着物などに採用された伝統の色彩を再現し、日本の時計ブランドならではの独自性を見事に表現している。
MIRCO(ミルコ)
TYPE-03 Masuhanairo(舛花色)
着物などで多用されてきた日本の伝統的な色彩を文字盤とベゼルに採用したミルコのセカンドコレクション。全5色展開で、アルマイト処理を施すことで、独特な渋く淡い色合いを生み出している。またケースもオーバル形に近い特徴的なフォルムで、唯一無二の個性を与えている。
表面にヘアライン仕上げを施した楕円状のコマで構成される5連ブレスレットを装備。これが重厚感と適度なラグジュアリー感を演出している。
200m防水を備えたダイバーズウオッチながら、ミドルケースを薄く仕立てることで、全体的にそれほど厚みを感じさせない。ケースサイズは42mmと決して小さくはないが、ラグを短くしたフォルムとなっているため、手首の細い人にもなじみやすい。ブレスも適度に重量があるため、バランスも良い。
MIRCO(ミルコ)
TYPE-02 MM
日本製の自動巻きクロノグラフムーヴメントを搭載するミルコのデビュー作。ブルー文字盤にオレンジの差し色を効かせたカラーリングは、1970年デザインを彷彿とさせるが、そのなかでも個性的なケースフォルムなど、ミルコならではの個性が随所に光る。
【問い合わせ先】
Fukushima Watch Company(フクシマウォッチカンパニー)
TEL.050-1334-1853
文◎船平卓馬(編集部)
提供元・Watch LIFE NEWS
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