アシュラヴィ氏はインタビューの最後にイスラエルのシモン・ペレス元大統領(任期2007~14年)が語っていた話を紹介している。
「パイロットの息子に母親は、『高く飛ばず、ゆっくりと飛行すれば、カタストロフィが待っているだけだ』と注意を促す。和平交渉は高く、スピードを出してゴールに到着するべきだったが、我々はゆっくりと低空飛行したために、墜落してしまった」と語ったという。
イスラエルが建国されて今年で75周年を迎えた。同国はイラン、ハマス、ヒズボラなどテロ支援国家、イスラム過激派グループに取り囲まれている。イスラエルは世界的な軍事力を有して優位に対抗しているが、ネタニヤフ現右派政権は司法改革で国内を混乱させている。ちなみに、同国最高裁は12日、同法律に対する請願を審議するが、最高裁がこの法律を破棄し、政府がそれを受け入れない場合、イスラエルは憲法危機に直面することになる。
なお、イスラエルの歴史家、ユバル・ノア・ハラリ氏(Yuval Noah Harari)はレックス・フリードマン氏のポッドキャストでイスラエルの現状について、「問題が国家的、民族的なものだったら、妥協や譲歩は可能だったが、問題が信仰や宗教的な対立となれば、妥協が出来なくなる。イスラエルとパレスチナ問題は既に宗教的な対立になってきている。それだけに、解決が一層難しくなってきた」と指摘している。
編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2023年9月13日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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