こうした数字は一連のトランプ氏の起訴が共和党支持層ではトランプ氏への支持をかえって高める効果を招いたことを明示したといえる。

さらに同調査によると、来年の大統領選でバイデン大統領とトランプ前大統領の1対1の最終選挙となった場合、民主、共和両党の支持者全体では両候補への支持率がともに46%という結果が出た。この大統領選に第3の候補が出た場合、バイデン氏への支持が39%、トランプ氏支持が40%と、トランプ氏が僅差ながら優位に立つこ見通しも示されたという。

各候補者の優劣を単一の世論調査の結果で即断することはもちろんできないが、同時にこの時点でのアメリカ国民の政治志向をとらえたという点ではこの調査の意義は大きい。とくに民主党傾斜の検察当局により次々と4回も起訴されたトランプ氏が逆に支持率を高めたという現実も実際の選挙の最終結果を占ううえで、大きな意味を持つだろう。

古森 義久(Komori Yoshihisa) 1963年、慶應義塾大学卒業後、毎日新聞入社。1972年から南ベトナムのサイゴン特派員。1975年、サイゴン支局長。1976年、ワシントン特派員。1987年、毎日新聞を退社し、産経新聞に入社。ロンドン支局長、ワシントン支局長、中国総局長、ワシントン駐在編集特別委員兼論説委員などを歴任。現在、JFSS顧問。産経新聞ワシントン駐在客員特派員。麗澤大学特別教授。著書に『新型コロナウイルスが世界を滅ぼす』『米中激突と日本の針路』ほか多数。

編集部より:この記事は一般社団法人 日本戦略研究フォーラム 2023年9月5日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は 日本戦略研究フォーラム公式サイトをご覧ください。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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