ジャニーズ事務所の解散でエンタメは活性化する
上流のタレントの力が強まるのは世界的な傾向だが、ハリウッドでは芸能人がスタジオと呼ばれる芸能事務所を渡り歩き、高いギャラを払うエージェントを選ぶシステムができている。
ハリウッドでも興行収入が黒字になる映画は15%といわれるが、スタジオは当たれば大もうけし、はずれたらつぶれる。俳優やスタッフは映画1本ごとにスタジオと契約し、当たったら大きなリターンを取る。大部屋俳優は保険に入って、そのリターンを分配してもらう。
エンタメは、日本人の得意分野である。テレビ局や芸能事務所の支配していないゲームやアニメの世界では、日本のコンテンツは世界のトップレベルだが、大人のドラマや音楽はまったく海外に売れない。芸能事務所がカルテルを組んでいるため歌唱力や演技力の競争がなく、ジャリタレの出てくる幼稚なコンテンツを見せているからだ。
これからサービス業が経済の中心になると、ITや金融などの知識集約型サービス産業もハリウッド化する。100人に1人のスーパースターを出せるかどうかが勝負になるので、サービス業はエンタメに近づいてゆく。
ハリウッドは今やアメリカの主要産業だが、芸能界はハイリスク・ハイリターンの世界である。そのリスクをタコ部屋でヘッジするジャニーズ事務所のシステムは、時代遅れになった日本的雇用慣行の最たるものだ。
ジャニーズ事務所を解散し、タレントが独立してハリウッドのスタジオのような組織をつくり、そこにテレビ局以外の資本が入れば、日本のコンテンツはグローバル化し、海外に売れるようになるかもしれない。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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