NISAは、年間120万円までの投資枠に対して5年間非課税で運用できる制度だ。投資信託で運用する場合、分配型か無分配型かで投資効率に差が出てくる。あらかじめ商品タイプを確認し、少しでも資金が増えやすい運用を心がけたい。

投資信託の分配金とは

投資信託には、運用資産の一部から投資家に還元する「分配金」という仕組みがある。利息と似た仕組みだが、分配金は運用資産を取り崩して支払われるのに対し、利息は貸し付けたお金の対価として支払われるものだ。毎月分配や年1回分配など、商品ごとに分配金が支払われる頻度は異なる。

分配金は、収益から支払われるとは限らない。収益からの還元に当たる分配金を「普通分配金」、元本の払い戻しに当たる分配金を「特別分配金」と呼ぶ。どちらに当たるかは、投資信託の「個別元本」によって変わる。

個別元本とは、平たくいうと投資信託の買い値のことだ。複数回購入した買付時の基準価額と口数によって算出され、課税上の元本になるものだ。基準価額が個別元本を上回った状態で支払われる分配金は、収益とみなされて普通分配金として課税される。基準価額が個別元本を下回っている状態で支払われる分配金は、元本の払い戻しとみなされて特別分配金となり、課税されない。

普通分配でも特別分配でも、分配のたびに運用資産は減るため、投資効率がいいとは言い難い。

NISAで無分配型の投資信託を選ぶメリット

投資信託には分配金が支払われないタイプもある。NISAのメリットを考えると無分配型のほうが良さそうだ。

メリット1……運用効率が良くなる

NISAの最大のメリットは、運用収益が非課税であることだ。通常は収益に対して20.315%が課税される(2019年3月現在)。非課税期間は原則5年間だが、投資期間を延長するロールオーバーをすれば最長10年間非課税で運用できる。この期間はできる限り利益を伸ばしていきたいものだ。

利益を伸ばすためには、投資信託の保有期間は長いほうがいい。短期で売買するより長期投資のほうが、リターンが安定するからだ。収益が増えるほど非課税の恩恵が大きくなるため、分配金を出さない無分配型のほうがNISAには適しているだろう。無分配型の投資信託では利益が投資に回され、長期間保有するほど投資効率が良くなると考えらえる。

メリット2……非課税投資枠を最大限活用できる

分配型の投資信託でも、分配金を再び運用に回す「再投資コース」を選べるものがある。分配金を受け取るよりも投資効率は良くなるが、分配金の再投資が新規の投資とみなされてしまう。NISAの非課税投資枠の上限である120万円いっぱいまで投資をしたい人は特に注意が必要だ。

非課税投資枠が余っていれば、分配金をそのままNISAで再投資に回すこともできるが、使い切っている場合は非課税投資枠での再投資ができない。そのため、NISAの非課税投資枠を最大限利用した運用を行うには、そもそも分配金を出さない無分配型を選ぶべきだ。非課税投資枠を減らさず投資ができ、最も効率的な運用ができるはずだ。

NISAではニーズに合わせて分配金受取も検討

NISAの運用効率を考えれば分配金を受け取らないほうがいいが、増やすことよりも分配金の受取を重視する人もいるはずだ。その場合は、もちろん分配金を受け取っても問題ない。分配金が自分の運用資産から支払われていることを理解しているかどうかが重要だ。人によってニーズは違うため、自分に合ったスタイルを選択してもらいたい。

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國村功志
執筆・國村功志
大手証券会社で株式・債券・投資信託などの金融商品販売に携わる。その後、ファイナンシャルプランナーの養成団体やFP事務所を経て、現在は資産形成FPとして活動。個人の資産運用経験も活かし、金融機関や一般の人向けに毎月セミナーも開催。CFP®、証券外務員一種保有。
大手証券会社で株式・債券・投資信託などの金融商品販売に携わる。その後、ファイナンシャルプランナーの養成団体やFP事務所を経て、現在は資産形成FPとして活動。個人の資産運用経験も活かし、金融機関や一般の人向けに毎月セミナーも行っている。CFP®、証券外務員一種保有。

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