ジェームズ氏によると、トランプ氏の代名詞でもあるトランプタワーのトリプレックスの資産価値の算出において、面積が3倍近く上積みされていた例があったほか、行政により家賃や使用が制限されている物件について、これを無視した評価をしていたこともあった。2012年、家賃の上昇が市によって制限されているマンハッタンの物件に関して、あたかも制限がないかのように評価し、結果として、実際の資産価値75万ドルのところが5,000万ドル近くに膨れ上がった。フロリダの住まいマール・ア・ラーゴに至っては、住居用としての販売や改装が厳しく制限されているにも関わらず、規制がないという前提をもとに算出し、資産価値を73,900万ドルに膨れ上がらせた。

このほかにも、不正な評価方法や、自身に所属しない現金資産をトランプ氏が所有しているように見せかけるなどの行為があった。

ジェームズ氏は、こうした行為によりトランプ氏が金融機関などから不当に得た利益は2億5,0000万ドルに相当すると主張。これらの返済に加えて、今後5年、不動産の取得や州内の金融機関へのローン申請を禁じるよう求めている。

最大5,000億円水増しか

ABCニュースによると、ジェームズ氏は8日に提出した法廷文書で、過大評価された金額は、当初発見したよりも数十億ドル多い可能性があると主張。これまでの推定を上方修正した。

ジェームズ氏は、専門家の分析を引用し、「トランプ氏の純資産は年間19億ドル(2,800億ドル)から36億ドル(5,300億円)の間でさらに大幅に減少することになる」と指摘。「依然として控えめな推定だ」と加えた。