日本美のミュージアムホテル「ホテル雅叙園東京」では、10月7日(土)から11月26日(日)までの土日祝限定で、“文化財保全期間 特別企画 東京都指定有形文化財 名建築「百段階段」秋の見学会”を開催する。

食事とセットの入場券も販売しているので、気候の良い秋に散策してみては。

日本建築の匠の技を間近で堪能できる「百段階段」

東京都指定有形文化財「百段階段」は、同ホテルの前身である料亭「目黒雅叙園」の3号館として1935年に完成した。かつて晴れやかな宴が行われた7つの宴会場を、99段の長い階段廊下がつないでおり、ホテル内に当時のまま残る唯一の木造建築だ。

昭和初期の開業時、大勢の大工、庭師、絵師、象嵌師、塗師らが集い、匠の技を結集して造られた同施設には、伝統的な美意識と昭和初期のモダニズムが息づいており、2009年3月に東京都の有形文化財に指定された。

超絶技巧の世界

同施設は、細かな文様で彩られた七宝細工や螺鈿細工、樹齢300年を超える巨木に彩色彫刻を施した床柱や、1㎜のずれもなく作られた組子障子、壁や天井を彩る日本画など、あらゆる分野の超絶技巧が集結した空間となっている。

日本建築の匠の技を間近で堪能できるのは、昭和初期から現存する同施設ならではだ。

歴史とともに愉しむ伝承の物語

同施設は、創業者・細川力蔵が自宅を改築してできた高級料亭「芝浦雅叙園」が始まり。その本格的な料理を気軽に愉しんでほしいと、“大衆に開かれた料亭”として「目黒雅叙園」が誕生した。

本物の芸術に酔いしれ、夢見心地な1日を過ごしてほしいという創業者の想いを宿した文化財建築の歴史を、さまざまなエピソードとともに紹介する。

文化財建築の魅力に迫る

自由見学でも理解を深められるよう、趣向の異なる7つの会場内には解説パネルを設置し、会場の特徴やエピソード、手掛けた芸術家などを紹介。自分のペースで鑑賞や写真撮影をじっくり愉しみたい人におすすめだ。

そのほか、専任ガイドによる文化財ツアーや、ガイドブック付きチケット、4か国語に対応する音声ガイド付きチケットをオンライン限定で用意している。

食事と一緒に楽しめるセットの入場券

同企画展と館内レストランでの食事がセットで愉しめる、特別な入場券も販売。レストランは、中国料理「旬遊紀」、「New American Grill “KANADE TERRACE”」、「RISTORANE“CANOVIANO”」「CANOVIANO CAFE」から選べる。

期間は同じく、10月7日(土)から11月26日(日)の土日祝限定だ。ガイドツアーもしくは自由見学の企画展入場券が含まれる。

この機会に、日本建築の技巧と美しさを堪能してみては。

文化財保全期間特別企画 東京都指定有形文化財 名建築「百段階段」秋の見学会
開催期間:10月7日(土)〜11月26日(日)※土日祝限定
時間:11:00~18:00(最終入館17:30)
会場:ホテル雅叙園東京 東京都指定有形文化財「百段階段」
所在地:東京都目黒区下目黒1-8-1
料金:当日券 ¥1,200(税込)

(田原昌)

※文化財保全工事のためエレベーター運行を休止し、すべて階段での移動となる
※「漁樵の間」は保全作業のため入室不可