筆者もこれに同意する。筆者は、もちろんクラウザーに比肩などできるはずもないが、大学時代は物理学に傾倒し、科学的な方法とは何かという基本についてはその時に叩き込まれて身についているつもりだ。
このコラムで縷々述べてきたように、いま「気候危機」を訴えている「科学」は、観測や統計を軽視し、シミュレーションを多用している。だがこれはあべこべだ。
地球環境ではクラウザーの重視する「実験」は難しいが、ならば「観測」や「統計」こそ重視すべきだ。しかしそこからは気候危機など全く検出されない。
気候危機説はシミュレーションにもっぱら頼っているが、実際のところそのシミュレーションは十分に観測を再現することすらできず、予言能力のあるものでは無い。
クラウザー以前にも1998年にノーベル物理学賞を受賞したラフリンなど、「気候危機」を訴える「科学」に批判的な物理学者はじつは多い。
その最大の理由は、「気候危機」の科学が、実験や観測こそが重要だという、科学の基本を逸脱し、特定の政治目的に奉仕し、人々を不幸にしていることだ。
これは物理学を愛する者であれば我慢がならない。
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提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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