古地図を片手に、住み慣れた街をめぐる。そのようなロマンあふれる街歩きが今、歴史好きの間でちょっとしたブームになっているそうだ。筆者は学生時代、大学の講義のひとつとして、地域の古地図を見ながら町歩きをした経験があるのだが、実際にやってみると、なかなかおもしろいものである。当時は、図書館で借りたボロボロの読みにくい古地図を参考に散策したが、Google mapのような見やすいデザインの古地図があれば、街歩きはさらに楽しくなるに違いない。
2023年8月27日に投稿された、地図とかデザインとか@chizutodesignさんの「江戸時代の現代風マップ「#れきちず」(ベータ版)、関東地方を公開しました!自由に拡大縮小や移動ができます! 下記URLからどうぞ https://rekichizu.jp/map/」という書き込みには、実際に「れきちず」を使って江戸時代の古地図をWeb上で表示する様子の動画が添えられていた。この投稿には、なんと1.9万件を超える「いいね」がついており、インターネット上で大きな話題となっている。
今回は、こちらの投稿に関する詳細を皆さんにご紹介します。
「れきちず」って、どのようなサイト?
「れきちず」は、江戸時代の日本地図を今風の洗練されたデザインを用いて描いたWeb上の地図だ。西暦で言うと1800年から1840年頃を想定した地図なのだそう。
「れきちず」では、土地や河川の名称がすべて当時の呼び名で書かれており、自分の住んでいる街が過去にどういった地形だったのかも、一目で知ることができる。
β版では、地図の拡大縮小とスクロール機能が搭載されているが、今後1年ほどかけて開発を行い、現在の地図と江戸時代の地図を2画面で比較できるようにしたり、湾岸線を重ねて表示できるように、アップデートを行う予定だそうだ。
最終的には、地点のクリックで情報を表示したり、経路の探索をできるようにするなど、現状のマップアプリと同程度のことが可能になるのを目標として、開発を進めているそうである。
「れきちず」の制作者である地図とかデザインとかさんは、先ほどの投稿に追記する形で「国立情報研がオープンデータ化している地点名データを今後活用し、さらに強化します。」と、今後に対する意気込みを語っている。β版が公開された現段階でも、歴史ファンとしては十分に楽しめる内容となっているが、この先のアップデートもかなり楽しみだ。
多くの歴史ファンが待ち望んでいた!
この投稿を読んだネットユーザーたちからは、「サクサク動いて操作性かなりよいですね。アプリ化期待しちゃいます。」と、いつかアプリで江戸時代の地図が見られるようになる日を心待ちにしているとの声や、「夢中になって時間が溶ける。」と、さっそく「れきちず」を見るのにドハマりしているとの声など、さまざまなコメントが返信欄には寄せられている。
コメントの中には「一番、欲しかった地図です…! めっちゃ、ありがとうございます!」「お待ちしていました♪ めっちゃ嬉しいです」といった、「れきちず」の公開を心待ちにしていたとの意見や、「僕、関東にはまったく縁が無いですけど、めっちゃおもしろいですね! 縁のある大和版や但馬版ができたら、どんなに楽しいだろう…制作お疲れ様です(`_´)ゞ」と、いつか全国の地図を作ってほしいとの声もあがっており、多くの歴史ファンにとって「れきちず」は、まさに待望のリリースであったことが手に取るように感じられた。