目次
追い越し事故の過失割合を決める要素は何?
追い越された車の過失割合が増えるのはどんなとき?
追い越し事故の過失割合を決める要素は何?
追い越し追突事故の過失割合、実際はどのぐらいになるのか事例が気になりますよね。ただ、先ほどの弁護士いわく、「個別事情で過失割合は変わるため、事例を見ても参考にならないと思いますよ」とのこと。
うーん、そういわれても知りたいものは知りたい。というわけで、せめて参考値がわかるように、追い越し追突事故の過失割合を決める要素について調べました。
追い越し追突事故の過失割合を決める要素に「場所」と「修正要素」があげられます。
場所は「交差点以外」と「交差点」に分けることができ、どちらも「追い越しできる場所」と「追い越し禁止場所」で過失割合が変わります。
交差点以外での基本的な過失割合
交差点以外の道路では、追い越し追突事故の過失割合は次のようになります。
- 追い越しできる場所|80:20(追い越し車:追い越され車、以下同)
- 追い越し禁止の場所|90:10
追い越し禁止の道路とは、標識や車線で追い越し禁止が指定されている場所、交差点や踏切とその手前30m以内、登り坂の頂上付近などを指します。
なお、上記の過失割合は、過去の判例をもとに一般化した数値です。あくまで参考値と思ってご参照ください(以後の数値も同様です)。
交差点での基本的な過失割合
交差点において、右折車両と追い越し車両(右折車の右側を直進する車)が衝突した場合の過失割合は次のようになります。
- 追い越し禁止でない交差点|50:50
- 追い越し禁止の交差点|90:10
「追い越し禁止でない交差点」とは、優先道路にある交差点を指します。過失割合が半々となっているのは、直進車の優先度の高さと、事故の原因(=追い越し)の両方を考慮した結果と思われます。
追い越された車の過失割合が増えるのはどんなとき?
追い越し追突事故の過失割合は、違反や過失などの要素を考慮して修正されます。代表的な修正要素と一般的な修正値を、過失割合が増える側別に見てみましょう。
追い越され車の過失割合が増える修正要素
- 追い越され車の避譲義務違反|+10%
- 追い越され車の道交法第27条第1項違反|+20%
- 追い越され車の著しい過失|+10%
- 追い越され車の重過失|+20%
- 追い越され車の中央に寄らない右折|+10~20%(追い越し禁止交差点で適用)
- 追い越され車の合図なしの右折|+10%(追い越しできる交差点で適用)
「避譲義務」とは、道幅の狭い場所で追い越される車が道路左側に寄る義務を指します。また、「道路交通法第27条第1項」では「追い越しされているときは走行速度を上げてはならない」と規定されています。
追い越し車の過失割合が増える修正要素
- 追い越し車の著しい過失|+10%(追い越し禁止交差点では+5%)
- 追い越し車の重過失|+20%(追い越し禁止交差点では+10%)
- 追い越し車の著しい速度違反|+10%(追い越し禁止交差点で適用)
- 追越危険場所|+5%
「追越危険場所」とは、追い越し禁止ではないものの、凹凸が多い、見通しが悪いなどの理由で追い越し困難な場所を指します。
なお、二重追い越し(追い越し車をさらに追い越す行為)が絡む事故では、二重追い越し車の過失割合が100%となります。こちらのルールも覚えておきましょう。
追い越しシーンでは慎重な運転を!
ここまでに見てきた情報から、追い越し追突事故では高確率で追い越し車の過失割合が大きくなる、といえそうです。先行車を追い越す際は、普段以上に慎重な運転をしたほうがよいでしょう。
また、追い越される側になった場合も運転には要注意。過失割合が低くなったとしても、追突で重い怪我を負っては悲劇です。
……とはいえ、事故は注意していても起きてしまうもの。もし追い越し追突事故の当事者になったら、事故当時の状況をなるべく細かく記録しておきましょう。その記録が過失割合の引き下げに役立つかもしれませんよ。
文・加藤 貴之/提供元・MOBY
【関連記事】
・【新車情報カレンダー 2021~2022年】新型車デビュー・フルモデルチェンジ予想&リーク&スクープ
・運転免許証で学科試験の点数がバレる?意外と知らない免許証の見方
・今一番危険な車両盗難手口・CANインベーダーとは?仕組みと対策方法
・SNSで話題になった”渋滞吸収車”とは?迷惑運転かと思いきや「上級者だ」と絶賛
・トヨタ 次期型ノア&ヴォクシーに関する最新リーク情報すべて