結局は“アルマゲドン”なのか?
この場合の問題は、待っている間が不安ということだ。危険な小惑星の攻撃でベストショットを放つには、何年も、あるいは何十年も小惑星が我々に向かってくるのを忍耐強く観察する必要があるのかもしれないのだ。
「危険な小惑星で最善のショットを打つには、何年も、あるいは何十年も小惑星が私たちに向かってくるのを観察する必要があるかもしれません」(研究チーム)
さらに悪いことに、引きつけた小惑星を爆破する試みが失敗した場合、プランBを考える時間はあまり残されていないことになる。もし失敗すれば一転してピンチの状況を迎えてしまうのだ。

しかし核攻撃しかないわけではない。NASAは昨年、「DART(Double Asteroid Redirection Test)」のミッションとして地球から約700万マイル離れた脅威のない小惑星に冷蔵庫ほどの大きさの探査機を衝突させた。理論によれば、衝突はその軌道を変えるのに十分なだけ岩石を揺さぶり、惑星への衝突を回避し得るという。
NASAのこのDARTミッションが目標の小惑星の軌道を大幅に変更することに成功したかどうかを判断するのは時期尚早なのだが、しかしマサチューセッツ工科大学の惑星科学教授リチャード・ビンゼル氏は、おそらく核攻撃よりもDARTのほうが防御策として優れていると「The Daily Beast」に語っている。
「ブルース・ウィリスが迫りくる小惑星を迎撃し、土壇場で崩壊させるという演出は、ハリウッドのエンターテイメントとしては素晴らしいが、実際の小惑星の脅威を軽減するためのあくまでも最後の手段です」(リチャード・ビンゼル氏)
さらにDARTのような手段は失敗しても何度も試みることができるので、衝突の危険性を特定した時点からじゅうぶんな時間的余裕をもって何度も行うことができる。
しかしそうはいっても、地球上に大災害をもたらすほどの小惑星の進路を変えるのは並大抵のことではなく、多大なエネルギーを必要としているため、爆破するほうがはるかに簡単なケースもあるとの指摘もあるようだ。
地球に衝突する可能性が高い小惑星を見つけた場合、悠長に構えているわけにはいかないが、かといってじゅうぶんに検討せずに早急な策を講じるのも拙速に過ぎることになるかもしれない。結局は“アルマゲドン”のストーリーになってしまうにせよ、人類滅亡はなんとしても阻止したいものだ。
参考:「The Daily Beast」ほか
文=仲田しんじ
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提供元・TOCANA
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