値引きシールはフードロスを減らす

農林水産省によると、2020年度の日本の年間食品ロス量は522万トンで、東京ドーム5杯分くらい。日本人1人が毎日お茶碗1杯分の食事を捨てている計算になる。日本は世界的にフードロスは比較的高い水準にあり、SDGsの観点からもフードロスを減らす活動には価値がある。

そう考えると値引きシールを貼るのを待ってくれるお客さんは「卑しい。貧乏くさい」のではなく、時間を消費してフードロスを引き受けているありがたい存在といえる。社会全体でみても、スーパーの事業者でみてもメリットしかない。

逆に値引きシールを完全にやめてしまえば、廃棄される食料は増える上、スーパー事業者は売り切れる分量しか仕入れないのでスーパーの棚は売り切れが続出し、廃棄コストは税金で跳ね返ってくる。お金に余裕がなく刺し身や肉などをおつとめ品でしか買えない人の食卓はさらに貧しくなる。加えて、投稿主のスーパーの従業員もデメリットが生じる。スーパーの利益が圧迫され、シールを貼るマンパワーも削減されるためだ。

結論的にお客さん、経営者、労働者、市区町村全体で考えると値引きシールは卑しいどころか必要な存在と言えるのではないだろうか。

 

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