――日本の教育にはないものですね。

2つめに重要なのは相手に対する「配慮」です。相手の立場や状況を読み取って、お互いに得をする状態で合意を結ぶ。イギリスやアメリカはこれがうまいですね。

相手を安く買い叩いたり、徹底的に懲らしめるのではなく、大人として公平な状況で丸く収める。これは恨みを買わずに自分も成功するには重要です。

例えば非正規や下請けの方も丁重に扱う、無理を言わない、相手方の都合をよく考慮する、病気や家族の状況に配慮する、妥当な報酬を払う。損して得取れの精神です。

日本人は繊細なようで意外とこれができていません。話し方や振る舞いはソフトなのですが、非常に自己中で、大人ではなく子供っぽい態度です。

ですから他の国の人は日本人を嫌うことがかなりあります。日本人は言い方は優しく親切だが、要求が厳しく非常に意地汚いと。そして裏では無礼だと行っています。大人なので面と向かって指摘しません。

これは日本における非正規や弱者の方の扱いをみていればよくわかりますね。

――たしかに、仲間内にはやさしいけれど部外者には冷たいところはありますね。

台風や猛暑でも従業員に通勤を強いる経営者や管理職だらけです。打ち合わせの時間を急に通知してくる、夏季休暇を考慮しないで無理を言う。値切る。非正規に正社員と同じ仕事をやらせ、割増の賃金を払わない。

みなさんも身に覚えがあるのではないでしょうか?それは巡り巡ってご自分が昇進できない理由だったり、キャリアが先細りになっていく原因です。

外国では同じことをやったら恨みを買ってしまい、誰も協力してくれなくどころか、下手したら暗闇で襲われます。ビジネスはもちろんうまくいきません。配慮できないのは無能な人間です。

子供の頃から相手に配慮する優しさ、バランス感覚、寛容さを教えるべきでしょう。

因果応報の意味を外国人のほうがよく理解しています。

――日本人にはじぶんたちには見えていない課題があるのですね。今日は貴重なお時間を頂き、ありがとうございました。

おわり

SHansche/iStock

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谷本真由美さん @May_Roma (めいろま)

ITコンサルタント。専門:ITガバナンス、プロセス改善、サービスレベル管理、欧州IT市場および政策調査。ITベンチャー、経営コンサル、国連専門機関情報通信官、外資系金融機関等を経て日英往復。趣味HR/HM。仕事依頼 Twitter @May_Roma

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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