8月22日、東京五輪談合(独禁法違反)事件で、逮捕・起訴されていた株式会社セレスポ(以下、「セレスポ」)の鎌田義次氏が、2月8日の逮捕から196日ぶりに保釈された。
2月28日の起訴以降、保釈請求は6回目だった。この6回の保釈請求を担当した東京地裁刑事14部(令状専門部)の4人の裁判官のうち3人が、起訴直後から本件での保釈の可否の判断に真剣に向き合い、保釈許可決定を出したにもかかわらず、その都度、検察官申立による準抗告で覆されてきた。
まさに、日本の刑事司法の最大の悪弊、「人質司法」そのものと問題を指摘し続け、第1次、第3次、第5次と、最高裁への特別抗告を行って、「『人質司法』によって無罪主張を抑え込もうとするのは、憲法32条の裁判を受ける権利を侵害する」と訴えてきたが、いずれも「適法な上告理由に当たらない」とされて棄却されてきた。
保釈当日、午後1時半、東京拘置所のゲートから出てきた鎌田氏と抱き合い、喜びと安堵を分かち合った。過去にがん手術も経験し、逮捕の前年にも胆嚢摘出手術を受け、その影響も残る状況下で逮捕され、当初は、拘置所の病棟に収容されていた鎌田氏。その日の夕刻、司法記者クラブで臨んだ会見の冒頭で、
我々、セレスポの役職員は、東京オリパラ大会のテストイベントや本大会の業務に、イベント制作会社として、多くのスポーツ大会での実績を生かし、懸命に取り組みました。私も他の役職員も、独禁法違反の犯罪などと言われることは何もやっていませんし、イベント制作会社として、当たり前の仕事を行っただけで、私も会社も無罪であることを、しっかりと裁判で訴えていきたい。
と明言した。その後、長期勾留について感想を聞かれ、