新開発の「縦置型SKYACTIV マルチソリューションスケーラーブルアーキテクチャー」を採用し、2022年に登場したミドルサイズSUVがマツダ CX-60です。
CX-60には、2.5L直4ガソリン、3.3L直6ディーゼルターボ、3.3L直6ディーゼルターボ+48Vマイルドハイブリッド、2.5Lエンジン+モーターのPHEVという4種類のパワートレインが用意されていますが、ここではPHEVモデルと、同じエンジンを搭載する25Sとの違いを解説します。
2.5Lエンジン+モーターのPHEVモデルと、同じ2.5L直4ガソリンエンジンを搭載する25Sとのおおきな違いはグレード展開です。
ガソリンエンジンの25Sには、エントリーグレードにあたるSパッケージをはじめ、Lパッケージ、上位グレードのエクスクルーシブモードの3つが用意されますが、PHEVモデルは2023年の改良にともなって、廉価グレードのSパッケージが廃止され、装備の充実したエクスクルーシブ系と、最上級グレードのプレミアム系のみとなっています。
また駆動方式も、25SはFRの2WDと4WDを用意しますが、PHEVは4WDのみです。
PHEVモデルと25Sに共通する2.5L直列4気筒DOHCエンジンは、最高出力138kW(188ps)、最大トルク250Nmを発生。
使用燃料はレギュラーガソリンで、25Sの燃費性能(WLTCモード)は13.0〜14.2km/Lと駆動方式による差が小さいこともポイントです。
軽快なパフォーマンスと優れた燃費性能を発揮し、アクセルペダルを素早く踏み込んだときにドライバーがイメージする加速力を瞬時に発揮させることで、追い越しや発進時など、素早く加速したいシーンにおいても気持ちのいい走りを楽しめるのが特徴です。
いっぽうe-SKYACTIVE PHEVと呼ばれるPHEVシステムは、前述した2.5Lエンジンに、17.8kwhの大容量バッテリー、最高出力129kW(175ps)、最大トルク270Nmを発生する高効率モーターを組み合わせます。
使用燃料はこちらもレギュラーガソリンで、燃費性能(WLTCモード)は14.6km/L。バッテリー満充電時には、最大74kmのEV走行を可能としています。
このPHEVシステムは、エンジン+ モーターによる大きな出力と余裕あるトルクが、力強い走りと環境性能の向上を両立させています。また、優れた経済性と環境性能に加え、力強い出力とトルクによるユーザーの期待に応える走りも提供するのがCX-60 のPHEVの特徴と言えるでしょう。
またサウンドにもこだわっていて、4気筒エンジンから発せられる基本的な音に近接した周波数の音を重ねることでビート感のある音をつくり込んでいます。
エンジン回転数が上昇し、高回転になるほどトルクを感じさせる音を響かせて、さらにモーターの出力も加わり、頭打ち感のない伸びやかなサウンドによってドライバーに高揚感をもたらします。
PHEVシステムの充電は、200Vの普通(AC)充電と急速(DC)充電に対応しています。
200Vの普通充電は3kWに加えて6kWにも対応。バッテリーの残量が0%のとき、3kWは6時間10分、6kWであれば3時間で満充電となります。
急速充電はCHAdeMO規格に対応したもので、外出先でバッテリーを充電することができます。残量20%から80%までにかかる充電時間は約25分です。
その他、走行しながらバッテリーへの充電を優先的に行うチャージモードは、任意に設定した充電状態になるまでモーターによるアシストを減らして充電を行います。
さらに搭載されている大容量バッテリーから家電機器などに給電可能なV2L(vehicle to Load)、直接建物に電力を供給可能なV2H(vehicle to Home)に対応。
とくにV2Lは、大容量バッテリーに蓄えられた電力を車内のAC電源から取り出すことができるので、アウトドアなどのレジャー、万がいちの災害や停電の際に車両を電源として使うことが可能です。
燃料タンク容量は、25Sが駆動方式を問わず58L。いっぽうのPHEVは、駆動用の大容量バッテリーを搭載していることもあり50Lとガソリン車よりも少なくなっています。
車両重量は、25Sが1,680kg〜1,790kgなのに対し、PHEVは約300kg重い、2,040〜2,090kgとなり、新車購入時には免税措置があるとはいえ、自動車重量税が高くなります。
2023年8月1日に改定された車両本体価格は、25Sが322万3000円〜426万8000円なのに対し、PHEVは609万9500円〜646万2500円。25Sの上級グレード、エクスクルーシブモッズ/4WD(426万8000円)とくらべても、180万円以上の差があります。
充電設備やV2H充放電設備を設置可能な一軒家のユーザーならば、PHEVの恩恵を最大限受けることができるので、25Sとの差額は十分に埋めることは可能だと思われます。
なにより非常用電源として活用できる能力は、昨今の災害を見ていると心強い相棒となってくれそうです
提供元・車選びドットコムマガジン
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