グラフィック社は、書籍『坂 茂 木の建築』を9月に発売する。同書では、建築家・坂茂(ばん しげる)氏による45の巨大木造プロジェクトを紹介している。
プロジェクトについての解説だけではなく、坂氏や周りの人々による寄稿なども収録。木造建築好きにはたまらない内容となりそうだ。
坂茂氏が手掛けた45の巨大木造建築を掘り下げる
坂氏は、過去35年以上にわたって木造建築の革新をもたらし、感性に響く空間をつくり、その空間を使用する個人、コミュニティ、そして地球環境に貢献してきた。
実現された巨大木造プロジェクトは、プレハブ式の合板住宅からコンピュータ制御で造形された集成材のグリッドシェルまで65以上に及ぶ。
同書では、そのうち45の作品について、設計図、写真、解説文をもとにコンセプトから施工までのプロセスをたどり、坂氏による木の建築の真髄と魅力に迫る。
プロジェクト紹介のほか坂氏などによる寄稿も
巻頭には、坂氏のほか、環境活動家のポール・ホーケン氏、坂氏とともに建設に携わるヘルマン・ブルーマー氏によるエッセイも収録される。
まず、ホーケン氏による寄稿を序文として、坂氏の「なぜ私は木でつくる建築が好きなのか」、ブルーマー氏の「木造技術者になるということ」というテーマのエッセイを巻頭に収録。次にイントロダクションとタイムラインを挟み、メインの巨大木造プロジェクト紹介に入る。
紹介するプロジェクトはフランスの「ポンピドゥ・センター・メス」やアメリカの「アスペン美術館」、スイスの「スウォッチ/オメガ キャンパス」など。
なお、編集はニューヨークのShigeru Ban Architects America社のアソシエイト、ローラ・ブリトン氏と、同社の建築デザイナーであるヴィットリオ・ロヴァート氏が担当した。
輝かしい受賞歴を誇る建築家、坂茂氏
建築家、人道活動家、教育者の坂氏は1957年東京都生まれ。クーパー・ユニオン卒業時にBachelor of Architectureを取得し、1985年に坂茂建築設計を設立した。
以降、数多くの賞を受賞し、2014年には建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞を受賞。コロンビア大学や慶応大学など、数多くの名門大学で教授も務める。現在は東京、パリ、ニューヨークを拠点に活動中。
これから訪れる秋の夜長を、見ごたえたっぷりの同書と過ごしてみては?
坂 茂 木の建築
定価:7,920円(税込)
発売日:9月
仕様:A4上製、総272頁
(Mayu)