数多ある保険の中から自分に合う保険を選ぶのは難しい。最適な保険を効率的に選ぶには、無料の保険相談サービスを利用する方法があるが、その際にいくつかの注意点がある。

無料で保険の相談をする3つの方法

⑴加入したい保険会社の営業員に相談する

加入したい保険会社へ連絡し、保険会社の営業員に相談する方法。希望する場所で相談でき、専任の担当者がつくなどのメリットがある。営業員は所属する保険会社の商品しか提案できないため、複数の保険会社の商品を比較したい場合には向かない。

⑵来店型保険ショップへ出向く

ショッピングセンターなどにある店舗へ自ら出向いて相談する方法。気軽に立ち寄れ、複数の保険会社を比較したり、申し込みをしたりできる。相談員にはFP(ファイナンシャルプランナー)資格者も多いが、担当者よって相談の質にバラつきがある。取り扱う保険会社の数は利用するサービスにより異なる。

⑶訪問型保険相談サービスを利用する

保険を取り扱う資格を持つ担当者に、自宅などへ訪問してもらう方法。希望する場所で相談できるほか、複数の保険会社を比較、申し込みができる。FP資格者のみを相談員としているサービスも多く、相談の質は全体的に高い。取り扱う保険会社の数は利用するサービスにより異なる。

無料保険相談を利用するときの6つの注意点

無料保険相談をうまく活用するには、以下の注意点を押さえておきたい。

注意点1……無料相談の前に保険の加入目的を明確にしておく

保険は目的があって加入するのであり、保険に加入すること自体が目的ではない。万一に備える生命保険であれば、遺族が生活に困らないようにするという目的がある。保有資産、配偶者の収入などがあり、もし自分に万一のことがあっても遺族が生活に困らない場合は、保険料を支払ってまで保険に加入する必要はないだろう。

いくら評判の良い商品でも、目的に合っていなければあなたにとって良い商品とは言えない。A商品とB商品のどちらが良いかを考える前に、まずは保険が必要なのかを考えるべきだ。良い保険に加入すること自体が目的になってしまい、必要のない保険に加入したり、必要な保障が不足したりするようでは本末転倒だ。そのような失敗を避けるため、次の項目について相談前に自分で整理しておきたい。

【加入目的】
どのようなリスク(死亡・病気・ケガ・就業不能・事故・火災など)に備えるのか。そのリスクはすでに準備している保障(公的保障や貯蓄など)でカバーできないか。

【保障額】
保険で備える金額(もしもの際に不足するお金)はどのくらいか。

【保障期間】
保障が必要な期間はどのくらいか。

【保険料】
無理なく継続できる保険料はどのくらいか。

注意点2……取り扱う保険商品の違いに注意して利用する無料相談サービスを選ぶ

目的が明確になったら、上述の3つの無料相談のうち、どれを利用するか検討しよう。⑴の保険会社の営業職員は、所属する保険会社の商品しか提案できないので、加入したい保険会社が決まっている場合に利用するのがいいだろう。

複数の保険会社の商品を比較したい場合は、⑵複数の保険会社を取り扱う来店型の保険ショップや、⑶訪問型の無料相談サービスが適している。加入手続きも一つの窓口で行えて便利だ。運営会社や店舗によって取り扱う保険会社は異なるため、できれば複数の相談サービスを利用し、提案内容を比較してみるといい。

注意点3……保険の最低限の知識を予習しておく

保険に関する基本的な知識はあらかじめ自分で調べ、相談を受ける前に予習しておくことが望ましい。どのような保険があるのか、その特徴や仕組み、どのようなリスクに備える保険なのかなどを押さえておきたい。説明やアドバイスを理解しやすくなり、相談がより充実したものとなる。

もちろん保険に関する知識がなくとも、相談者のレベルに合わせて説明やアドバイスをしてもらえる。だが、ある程度の知識があったほうが、保険の販売を仕事としている相談員にとって都合の良い保険に加入させられるリスクを軽減できる。自分で調べてよくわからない部分をメモしておき、相談の際に質問して解決するというスタンスがいいだろう。

注意点4……複数の無料相談サービスを利用して比較する

親身になって相談に乗ってくれるかどうか、担当者の質も重要なポイントだ。保険に対する考え方や知識量、提案する商品は担当者によって変わるので、なるべく複数の無料相談サービスを利用して比較するのがいいだろう。具体的な商品の提案を受けた場合には、すぐに契約せず一旦保留にして検討したい。比較・検討のため、提案内容が記載された保険設計書を忘れずにもらっておこう。

注意点5……相談員は保険の販売員であることを忘れない

無料の保険相談サービスは、保険会社から支払われる手数料収入で成り立っている。相談員の仕事は保険を販売することだ。法律が改正され、相談者の意向に沿った提案が義務付けられてはいるが、相談員は保険のプロ。相談者が受け身の姿勢では、相談員にとって都合のいい(手数料の高い)商品に加入させられる可能性もある。相談者自身が保険の知識を持ち、加入目的を明確にした上で主体的に相談に臨むことが大切だ。

注意点6……内容を理解できない保険には申し込まない

本当に必要な保険は、シンプルであることが多い。提案された商品の内容がわかりにくい場合には、しっかりと説明を受け、それでも理解できないような保険には申し込まないほうがいい。保険金(給付金)の支給要件が複雑な商品では、請求漏れやいざというときに保障が受けられないといったトラブルにつながることもある。また、特約が多い保険は保険料が割高になりがちなので注意したい。

文・MONEY TIMES編集部
 

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