2位:大宮アルディージャ

新加入選手(以前の所属クラブ)

  • MF黒川淳史(町田ゼルビア)※期限付き
  • FWヤクブ・シュヴィルツォク(ザグウェンビェ・ルビン/ポーランド)
  • DF飯田貴敬(京都サンガ)※期限付き
  • DFカイケ(V・ファーレン長崎)※期限付き

2023シーズン開幕直後こそ白星と黒星が交互に並び、勝ち点を積み上げていた大宮アルディージャ。しかし、第9節以降は途中引き分けこそあるものの2度の連敗を含む15戦勝ち無しと、長いトンネルを味わった。最下位に沈む厳しい状況の中、この夏は複数の即戦力選手を補強。能力、実績ともに期待できる選手の獲得で巻き返しを図る。

期限付きで1年半ぶりとなる大宮復帰となったMF黒川淳史は、クラブを離れている間出場機会は少なかったものの2017年以来となるJ1の舞台(2022ジュビロ磐田)も経験。過去J2での実績を見れば、前線との関係構築が早々に叶うことが条件となるだろうが、得点、アシストともに期待できる存在であることは間違いない。

京都サンガから期限付きで獲得したDF飯田貴敬は、加入後すでに出場可能な試合には全試合スタメン出場を果たしており、持ち前のスピードと積極的な攻撃参加をどれだけ見せられるかに注目だ。

そして今夏の移籍の目玉となったFWヤクブ・シュヴィルツォクには、なんといってもゴールへの期待が高い。加入後すぐにフリーキックから豪快なシュートを決めており、大宮ファンの期待度はさらに増したことだろう。

残念なニュースとしては、下部組織出身でサイドからの攻撃でチームを牽引したMF柴山昌也がセレッソ大阪へ移籍してしまった。しかし、各ポジションJ2においては豪華な補強ができたと言っていい。直近は2連敗を喫してしまったが、前半戦の遅れを取り戻しJ3降格という結果にならないためにも、新加入選手たちには浮上のきっかけを作る活躍に期待したい。


V・ファーレン長崎 写真:Getty Images

1位:V・ファーレン長崎

新加入選手(以前の所属クラブ)

  • MF中村慶太(柏レイソル)
  • MFマルコス・ギリェルメ(ヒムキ/ロシア)
  • DFカルロス・グティエレス(町田ゼルビア)
  • MFマテウス・ジェズス(ポンチ・プレッタ/ブラジル)

現時点5位のプレーオフ圏で2023シーズン終盤戦へと突入したV・ファーレン長崎だが、下に並ぶクラブとの勝ち点差はほとんどない。逃げ切りとさらに上の順位を目指すため、今夏の移籍市場では積極的な姿勢を見せている。

まず、早々に獲得が報じられたのが柏レイソルに所属していたMF中村慶太の5年ぶりとなる帰還だ。2018年の長崎初となるJ1昇格の立役者であり、豊富なアイデアと確かな技術を誇るゲームメーカー。攻撃の活性化に一役買ってくれるだろう。

同じく中盤では、MFマルコス・ギリェルメとMFマテウス・ジェズスという2名のブラジル人選手の獲得に成功。ギリェルメは加入後早くも6試合に出場。推進力を発揮してチャンスに絡み、第30節の水戸ホーリーホック戦と第31節の栃木SC戦ではアシストもマークしている。

ジェズスも加入間もないながら、直近の大宮戦でアシストをマーク。2018シーズンに所属したガンバ大阪では、度肝を抜くミドルシュートを決めて能力の高さを見せつけていただけに、ギリェルメと同様攻撃面での貢献は大いに期待できる。

また、最終ラインには現在J2の首位を走る町田ゼルビアからDFカルロス・グティエレスを獲得。守備だけでなくセットプレーでも活きる強力な高さという武器が、また1つチームに加わった。

今夏FWクリスティアーノや、パリ五輪世代の日本代表候補でもあるDF加藤聖がチームを離れたが、獲得選手はいずれも即戦力。外国籍選手が多く起用できる枠の問題は付きまとうものの、総合力は間違いなく上がったと言えよう。流出した選手を補いつつさらに選手層が厚くなったことから、長崎を戦力アップを果たしたクラブ1位とした。