エストレヤの車種プロフィール

1999年モデルのエストレヤRSカスタム。ドラムブレーキを採用し、よりクラシカルなイメージ。

エストレヤは、1992年から2017年まで発売されたバイクだ。往年の英国車である「BSA」を彷彿とさせるスタイルと、リズミカルな単気筒エンジン、リーズナブルな価格で人気を博した。何度かモデルチェンジが行われており、基本性能は共通としながら、ブレーキシステムや、点火方式がキャブレターからインジェクションに変更されている。2014年が最後のモデルチェンジで、この仕様のままFinal Editionとして製造終了した。

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バイクインプレ

2014年1月20日に発売されたモデルは、エンジンの出力特性が見直され、最高出力が20馬力から18馬力にダウンするとともに、低中速の回転域でのトルクを重視したセッティングに変更された。その後はカラーバリエーションが発売されたのちに、2017年のFinal Editionをもって生産終了となった。販売期間25年、カワサキのバイクの中では一番のロングセラーである。

車両の特徴

クラシカルなスタイルが人気の「2014年型エストレヤ」のレビューをお届けする。今回試乗するモデルは「ツーリングスタイル」と呼ばれており、大型のウィンドシールド、小型のエンジンガードセンタースタンド、パニアケース、パニアケースブラケットが装備されている。さらに厚手のシートに交換されており、スタイルや機能的にもロングツーリングを意識したモデルである。

パワーユニットには、空冷 2 ストローク 2バルブSOC、排気量 249ccの単気筒エンジンを搭載している。ボア×ローク66ミリ×73ミリが、エストレアの乗り味を決定付けている大きな要因であるといえる。最高出力は18 馬力、最大トルクは18 N.mで、250ccモデルの中でも控えめなスペックだ。

足付き

フレームはセミダブルクレードルフレーム、フロントは39ミリ径のインナーチューブを持つ正立フロントフォーク、リアはスイングアームという構成になっている。全長×全幅×全高は、2075ミリ×775ミリ×1035ミリ、乾燥重量161キログラム、シート高735ミリとコンパクト。ほとんどのライダーが、足付きを気にすることなくライドできるだろう。

走り

ブレーキは思った以上に効果がある。タッチもこのクラスとしてはとても良い。左右のレバーが調節できるのも機能的だ。小柄なライダーの使い勝手がよく考えられていると感心した。リアには内径160ミリのスイングトレーニングのドラムブレーキが採用されているが、このブレーキは結構タフで、ワインディングでも安心して使うことができた。

今回試乗しているのは、「ツーリングスタイル」というモデルで、スタンダードのシートからオプションのシートに交換されており、プロテクション効果が優れている。ライダーの身長にもよるが、首の下あたりまでカバーしてくれるのは嬉しい限りだ。

オプション類の中で特におすすめしたいのが、パニアケースとバニヤケースブラケットである。純正のブラケットを使って車体にしっかりと美しく取り付けられる点が評価できるほか、デザインが優れているので、取り外してホテルなどに持ち込むことができる。

2014年型エストレヤは、最高出力18馬力の単気筒エンジンのため、高速道路やワインディングを走っていても、「もう少しパワーがあれば」と感じることもあった。しかしそれを差し引いても、十分に魅力的なバイクである。特に「旅の相棒」として、ツーリング用のオプションが充実している点がとても気に入った。エストレアは、使い勝手が良く、オーナーを幸せにしてくれるバイクだ。