実際の釣り方

では、実際の釣り方についてみていこう。基本の釣り方はテンヤの引き釣りとほぼ同じだが、よりナチュラルにアクションすることを心掛けたい。また、イトフケが大きく出ると簡単に切られてしまうため、常にラインテンションを張り気味にしておくのがコツだ。

キャストしてカウントダウン

潮上にフルキャストし、着水したら素早くイトフケを取り、ラインテンションに注意しながらカーブフォールで沈めていく。この時、より釣果を伸ばすために、きちんと何秒沈めたかカウントを取っておこう。最初は水面直下~5秒カウント程度から始め、徐々に深いタナも探っていく。

ゆっくりサビく

フォールでアタリが無ければ、竿をフワ~っと1m程度持ち上げて、そのまま2~3秒ストップ。竿先を下げながらイトフケを巻き取り、また同じ動作を繰り返す、というのが基本のアクションとなる。エサが小さなカーブフォールを何度も描きながら、徐々に寄せてくるイメージだ。

時折チョンチョンアクション

時々サビくのをストップして、竿先を10cm~20cm程度チョンチョンと動かすのも効果的だ。スプリットショットは、細かいアクションを付けても動くのはオモリだけ、という特性がある。この時、後ろにあるエサはナチュラルにフワフワ小さく漂う形になる。この動きにタダ巻きを組み合わせて、「ス~っと泳いで、フワフワ動く」というイメージを持ってみてほしい。

アタリと取り込み

アタリの出方はほぼ決まっていて、急に手元にガツガツ来ることが多い。ここで動きを止めると切れる危険性があるので、ラインを張りつつ、ゆっくりリールを巻き続ける。徐々に竿先に重みが乗ってくるので、そのあとにゴンッと首を振る感触を感じた瞬間に強く合わせる。

『スプリットショットリグ』でのタチウオ狙いのススメ バス釣りリグが効く?良型の引きは強烈(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)

あとはラインを緩めないように引きを楽しみつつ、最後はゴボー抜きしよう。抜き上げが難しいような大型は、躊躇せずタモを使わないとラインブレイクの危険性があるので注意したい。

工夫次第で釣果は変わる

著者は15年ほど前、食い渋り時に思いつきでこのリグを試してみたところ、周囲が全く釣れていない中、ただ1人1時間で12匹という爆釣を経験した。今でも食い渋り時に重宝している釣り方だ。1匹でも魚を釣った経験があれば、「タチウオのエサ釣りといえばこの仕掛け」、といったような固定概念を持ってしまいがちだが、初心者と上級者の違いは思考の柔軟性にある。

どのような状況にも対応できるよう、日ごろからアンテナを伸ばしておき、「もしかしたら、あの釣り方を試せば釣れるかも」といった思考を持てるよう、心掛けてみてほしい。

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<荻野祐樹/TSURINEWSライター>

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