26cmサンバソウをキャッチ
探り歩く中、フグではない強めのアタリに時折出会う。岩カニは柔らかいエサなので即アワセが基本だが、この日の即アワセは空振りするばかりで、聞きアワセは魚が一旦岩カニを咥えてもすぐに離してしまう。
水深が浅いので、チヌの活性は低いわりに警戒心は強いようだ。ならばと即アワセを止めて、食い込ませ重視の釣り方に切り替えたところ、これが正解。
7:20頃、クッという強めのアタリを海底でキャッチ。そこでテンションを緩めて食い込みを待つ。我慢を重ねて、竿先の感触から魚がしっかりとエサを口に咥えたと確証が持てた段階で満を持してアワセを入れるとヒット。
早朝に内向きでヒットさせた時と同じような強い引きに、チヌかカンダイかと心躍らせる。慎重にやりとりを続けると、海面に上がってきた魚体はチヌでもカンダイでもない縞模様。食味抜群のお宝サンバソウだ。
海面に上げてしまえば魚体はチヌよりも小さいので、タモ入れは容易。魚を波止に上げ検寸すると26cmとなかなかのサイズ。ようやく釣れた貴重な獲物にニンマリだ。

31cmのサンバソウを追釣
海底で強めのアタリがあったら、テンションを緩めて食い込みを待つという、釣れるパターンを掴んだ。干潮で魚の活性は低くとも、的を絞った落とし込み釣りが出来るようになった。
探り歩きを続ければ、きっと何処かで次の獲物に出会えるはずだと歩みを進める。サビキ釣りの人は諦めて8時の臨時迎え便で早々に波止を後にし、波止上はいっそう寂しい状況に。
すると8:40頃、3番の船着き場の手前で、1匹目と同じようなアタリに遭遇。テンションを緩めて食い込みをじっくり待つと、竿先をしっかりと抑え込む感触に変わった。ここぞとアワセを入れるとヒット。魚は強い引きで沖に走り出した。
無理せず寄せてくると、海面に姿を見せたのはサイズアップしたサンバソウ。海面付近での抵抗もやり過ごし、無事タモ入れに成功。検寸すると31cm。肉厚で申し分ない魚体だ。

酷暑に負けて9時に納竿
岩カニはまだ残っていたが、酷暑に負けて延長戦に挑む気力は残っておらず、9時に納竿し波止を後にした。
引きあげる他の釣り人たちも疲労困憊の面持ちで、乗船場に戻っても船長と言葉を交わした釣り人は1人だけ。辛うじてツバスは手にしたが心残りの面持ちだった。
そこで私がサンバソウ31cmと26cmと釣果報告をすると、「ええですやん」と労いの言葉が返ってきた。サンバソウは夕方にマムシをエサにした脈釣りでも狙えるとのこと。船長が撮ってくれた写真は葵渡船のホームページの釣果情報の一角を飾り、短期決戦で2匹の釣果ながら大満足の釣行となった。
帰宅後、お宝サンバソウ2匹は夕食で賞味。絶品の食味がこの日の満足度をさらに高めてくれた。




<伴野慶幸/TSURINEWSライター>
泉佐野一文字(出船場所:葵渡船)