Maker’s Watch KnotのMUSUBUプロジェクトより、会津伝統工芸士 大竹信一氏とのコラボレーションモデル「漆 金銀重ね(きんぎんがさね)」が誕生。日本の伝統と匠の業が新たな時を刻む一品だ。
職人の息吹 国産漆に宿る独自の質感
日本を代表する工芸品でもある漆。この秋、Knotの最上位機種“プレミアムオートマティックシリーズ”に、美しい漆塗りダイアルに金銀2色の粉を散りばめた、絢爛豪華な新コレクションが登場する。
古からの伝統的な漆は、塗装の難易度の高さから、高度な専門技術や技能を身に付けた職人だけが扱えるもの。千年前の漆製品が今に残るなど、合成塗料とは違い圧倒的な耐久性を誇っている。
「ふっくら感」「しっとり感」「深み感」など、独特の表現をされる質感は漆ならでは。Knotの漆モデルでは、国宝や重要文化財の保存修理にも使用される貴重な国産漆を使用しているのも特徴である。
新たなる美を生む 漆と金銀の調和
本作では金属や貝の粉を蒔いて絵を描く「蒔絵」の技法を用い、文字板に華やかな金・銀の粉を蒔きつけている。金銀重ねは、銀が加わる事で、より一層純金の深い煌きを感じていただける仕上がりだ。
金・銀の粉は、金属の塊をヤスリで細かく擦りおろしそれを丸めた「丸粉」と呼ばれ、球状をしているが、職人の技で粉の直径が一番大きい部分を研ぎ出すことにより、華やかさを高めているのが特徴。金粉・銀粉ともに最高グレードの粉を用いている。
金銀の粉が外周に向かって変化していくグラデーションデザイン。このグラデーションは、Knotのプロダクトデザイナーがインデックスの視認性に配慮し設計したこだわりのイメージを、伝統工芸士が手作業で実現した。外周に向かって少しづつ蒔く粉の量を調整するのは、熟練の職人の感覚と技術によって初めて実現する表現である。
カラーは、漆ならではの深みをもつ「黒漆」。そして、もうひとつが「朱漆」。かつては朱色にするための顔料が非常に希少なものであったことから、位の高い人々だけが使うことができた色である。
Maker’s Watch Knotと会津伝統工芸士 大竹信一氏のコラボレーションによって生まれたこの腕時計は、単なる時を刻む道具ではなく、日本の職人の技術と美意識が融合した芸術品と言っても過言ではない。
Maker’s Watch Knot オフィシャルウェブサイト
(akihiro takeji)